ちょっと前ですが、NHKの朝の番組で「速読」と「遅読」のことをやっていました。
「速読」はよくマスコミにも取り上げられますし、本もたくさん出ています。これを鍛える塾もあるぐらいです。
僕もやり方を聞いてから、本を読むときに実践することがしばしば。
それに対した言葉で「遅読」というものがあります。いわゆる「スローリーディング」として、取り上げられていたのが、元灘校の国語教師で、今年100歳を迎えられる橋本武さん。授業で、教科書を使わず、小説「銀の匙」を3年間読み込んでいったといいます。1冊を3年というのに驚きました。
どうやって授業をつくっていったのかに興味があって、本屋さんに並んでいた「一生役立つ学ぶ力」という本を思わず購入。
ここには、橋本さんの人生を交えながら、その授業の誕生に至った経緯、その授業からの気づき、人生とは何かが語られています。
「学ぶ」ことは遊ぶこと、「遊ぶ」ことは学ぶこと
生きる力、学ぶ楽しさのもととなる国語力
教えることで見える学びの本質
日常にあふれる「学び」「気づき」への横道
つまり人生とは学びの連続
という5つのテーマ。どれも経験を積み重ねたからこそ言える言葉が並んでいて、一つ一つに深みを感じます。
100歳となる今でも、学び続け、気づいたら午前2時、3時が当たり前。やりたいことで満ちあふれていますし、ちゃんと夢を持っていらっしゃる。それは「120歳の大還暦まで生きること」「生まれ変わってでも、灘校の教師になって『銀の匙授業』を行うこと」。
人生においても、指導者という視点においても、学びがありました。大人も子どもも今の自分にヒットする何かが気づきが得られる本かと思います。