前回の記事はこちら。
リスクとは何か その1
リスクとは何か その2
リスクとは何か その3
前回は「リスク」とは何か。人がリスクをどうとらえているかについて考えました。
今回のテーマは「リスクは回避できるのか」です。
<二択式のリスク回避法>
その1で書きました、次の例をもう一度引用します。
AをするとBがついてくるかもしれません。
このA→Bと言う流れのことを「リスク」と呼びます。
では、Bという結果を起こさないようにするにはAをしなければよい。
または解消するアイテムを利用すればよいのではないでしょうか。
例えに登場したのはタバコでしたが、「タバコをすわない」→「健康を害さない」
この流れに乗ったのが近年の嫌煙運動でした。
あっという間に公共の場の喫煙が禁じられ、様変わりしたのは皆さんの記憶にも
新しいのではないでしょうか。
もうひとつ、最近良く目にするものでは「健康・美容」のCMです。
これを飲めば、これをとれば「〇〇にいい」「〇〇が解消する」という
CMですね。
他にもTVのワイドショーで「健康に良い〇〇」が紹介されると、その日のスーパーの
店頭では全て売り切れるというのも聞く話ですね。
<二択式の問題点>
1.商品を売るためのセールストークである場合
商品を摂らないリスクを並べた場合、それを聞いた買い手は不安になって、
思わず購入してしまいます。
その結果、効果や効能がはっきりとしていなくても「体にはいい」「これで助かる」と
思い込んでいるため、満足度が高くなります。
効果が確認できないまま、高額の商品を買い続ける。この場合の金銭の損害は
どうとらえるべきでしょうか。
2.良い事だからと使いすぎて(我慢して)しまうことがある。
サプリメントの摂りすぎ。減量のしすぎ。よくある話です。
〇〇は危ない、と聞くと「誰にとって」「どのくらいの確率で」「どういう理由で」
このあたりを押さえないまま「いいことだから」と走ってしまうと、結果
余計な負担を体にかけてしまうこともあるのです。
3.これをしているから絶対大丈夫、と考えてしまう。
リスク回避は、ひとつ心がければ全てOKではありません。
ところがひとつ実行すると、これでもう絶対大丈夫だと過信してしまうのも
ある話です。
例えば、泥棒対策にセコムに入ったとします。
しかし、鍵をかけずに外出したら。金庫を開けっ放しで家に帰ったら
意味がありませんよね。
そのことが、どの程度危険なのか。リスクの種類・起こる確率・
それによって起こる被害の大きさが分からないまま対策を講じると、
そのほうが害になる場合もまたあるのです。
<リスクは多種多様>
リスクの種類も、その被害の大きさも多種多様です。
思考実験として、「もしも100万円があったら」という問いを出してみます。
今、あなたの手元に大事に貯金した「100万円」があるとして下さい。
銀行に貯金していたのですが、先日起こったキプロスの預金封鎖のニュース(※1)を見て
怖くなって下ろしてしまいました。
※1 キプロスの預金封鎖 2013年3月に、キプロスの政府は「預金しているお金」に対し
預金している金額の25%を税金として取ると同時に、預金を引き出すことを
禁じた預金封鎖を発表しました。
自分でもゆっくり考えてみたら、銀行に預けることはリスクが高い気がしてきます。
・銀行が倒産したらお金がなくなるかもしれない。
・キプロスみたいに、急に税金が掛かるかもしれない。
・ATMで引き出すにも、金額に制限がかかって全額出せないかもしれない。
・利子が安すぎて、なんだか面白くない。
さて、家に置いておくには、と考えたあなたは天井裏に100万円を隠すことにします。
しかし、数日が経つとやはり心配が増えてきました。
・火事になったら、泥棒が入ったらどうしよう
・隠し場所を忘れたらどうしよう
・家においておいて、自分で何かを衝動買いしちゃったらどうしよう
・タンス預金では利子がつかない
金庫を思いつきますが、盗まれないような金庫は大きくて邪魔なだけでなく高い。
貸金庫はどうだろうと考えますが、年間料金が思いのほか高いし、面倒も増える。
それでは国債を買ったらどうだろう。銀行より利子がいいはず。
でも値段が変動するらしいし、急に出費があった時に損するのは困るなあ。
株なんかはどうだ! これなら大きく儲かるだろう。
え、大損するかもしれない? それは困る。
さあ、あなたなら一体どんな方法をとるでしょうか。
<リスクは表裏一体>
・元本を失うリスク(盗難・火事/銀行倒産/元本割れの損失)
・急な出費に対応できないリスク(預金封鎖/土日の売買停止)
・利用料金が掛かるリスク(金庫利用料金/金庫購入代金/ATM手数料)
・儲けられないリスク(高い利子・配当・キャピタルゲイン)
個人の性格や考え方の違いから、どのリスクが大きく、どのリスクを重要視するかは
全然違ってきます。
ただ一つ言えるのは「全くリスクがない選択肢」は存在しないということです。
もしも「元本絶対保証で、高い金利がついて、いつでも引き出し可能」といった
夢のような話があなたに来たとしたら、どうしますか?
結論から言いますと、それはやはり夢の話です。
投資詐欺(wikipedia) リンク先:http://ja.wikipedia.org/wiki/投資詐欺
こちらを見ていただけば分かるように、いつの時代もうまい話に
人はくらっとしてしまうのです。
どの選択肢を選んでもリスクがあるのなら、いっそのことどれも選ばなければいい
という考えもあるかもしれません。
次回のテーマは「リスクとは何か 選択しないリスクとは」をお届けします。
続きます。
リスクとは何か その1
リスクとは何か その2
リスクとは何か その3
前回は「リスク」とは何か。人がリスクをどうとらえているかについて考えました。
今回のテーマは「リスクは回避できるのか」です。
<二択式のリスク回避法>
その1で書きました、次の例をもう一度引用します。
AをするとBがついてくるかもしれません。
このA→Bと言う流れのことを「リスク」と呼びます。
では、Bという結果を起こさないようにするにはAをしなければよい。
または解消するアイテムを利用すればよいのではないでしょうか。
例えに登場したのはタバコでしたが、「タバコをすわない」→「健康を害さない」
この流れに乗ったのが近年の嫌煙運動でした。
あっという間に公共の場の喫煙が禁じられ、様変わりしたのは皆さんの記憶にも
新しいのではないでしょうか。
もうひとつ、最近良く目にするものでは「健康・美容」のCMです。
これを飲めば、これをとれば「〇〇にいい」「〇〇が解消する」という
CMですね。
他にもTVのワイドショーで「健康に良い〇〇」が紹介されると、その日のスーパーの
店頭では全て売り切れるというのも聞く話ですね。
<二択式の問題点>
1.商品を売るためのセールストークである場合
商品を摂らないリスクを並べた場合、それを聞いた買い手は不安になって、
思わず購入してしまいます。
その結果、効果や効能がはっきりとしていなくても「体にはいい」「これで助かる」と
思い込んでいるため、満足度が高くなります。
効果が確認できないまま、高額の商品を買い続ける。この場合の金銭の損害は
どうとらえるべきでしょうか。
2.良い事だからと使いすぎて(我慢して)しまうことがある。
サプリメントの摂りすぎ。減量のしすぎ。よくある話です。
〇〇は危ない、と聞くと「誰にとって」「どのくらいの確率で」「どういう理由で」
このあたりを押さえないまま「いいことだから」と走ってしまうと、結果
余計な負担を体にかけてしまうこともあるのです。
3.これをしているから絶対大丈夫、と考えてしまう。
リスク回避は、ひとつ心がければ全てOKではありません。
ところがひとつ実行すると、これでもう絶対大丈夫だと過信してしまうのも
ある話です。
例えば、泥棒対策にセコムに入ったとします。
しかし、鍵をかけずに外出したら。金庫を開けっ放しで家に帰ったら
意味がありませんよね。
そのことが、どの程度危険なのか。リスクの種類・起こる確率・
それによって起こる被害の大きさが分からないまま対策を講じると、
そのほうが害になる場合もまたあるのです。
<リスクは多種多様>
リスクの種類も、その被害の大きさも多種多様です。
思考実験として、「もしも100万円があったら」という問いを出してみます。
今、あなたの手元に大事に貯金した「100万円」があるとして下さい。
銀行に貯金していたのですが、先日起こったキプロスの預金封鎖のニュース(※1)を見て
怖くなって下ろしてしまいました。
※1 キプロスの預金封鎖 2013年3月に、キプロスの政府は「預金しているお金」に対し
預金している金額の25%を税金として取ると同時に、預金を引き出すことを
禁じた預金封鎖を発表しました。
自分でもゆっくり考えてみたら、銀行に預けることはリスクが高い気がしてきます。
・銀行が倒産したらお金がなくなるかもしれない。
・キプロスみたいに、急に税金が掛かるかもしれない。
・ATMで引き出すにも、金額に制限がかかって全額出せないかもしれない。
・利子が安すぎて、なんだか面白くない。
さて、家に置いておくには、と考えたあなたは天井裏に100万円を隠すことにします。
しかし、数日が経つとやはり心配が増えてきました。
・火事になったら、泥棒が入ったらどうしよう
・隠し場所を忘れたらどうしよう
・家においておいて、自分で何かを衝動買いしちゃったらどうしよう
・タンス預金では利子がつかない
金庫を思いつきますが、盗まれないような金庫は大きくて邪魔なだけでなく高い。
貸金庫はどうだろうと考えますが、年間料金が思いのほか高いし、面倒も増える。
それでは国債を買ったらどうだろう。銀行より利子がいいはず。
でも値段が変動するらしいし、急に出費があった時に損するのは困るなあ。
株なんかはどうだ! これなら大きく儲かるだろう。
え、大損するかもしれない? それは困る。
さあ、あなたなら一体どんな方法をとるでしょうか。
<リスクは表裏一体>
・元本を失うリスク(盗難・火事/銀行倒産/元本割れの損失)
・急な出費に対応できないリスク(預金封鎖/土日の売買停止)
・利用料金が掛かるリスク(金庫利用料金/金庫購入代金/ATM手数料)
・儲けられないリスク(高い利子・配当・キャピタルゲイン)
個人の性格や考え方の違いから、どのリスクが大きく、どのリスクを重要視するかは
全然違ってきます。
ただ一つ言えるのは「全くリスクがない選択肢」は存在しないということです。
もしも「元本絶対保証で、高い金利がついて、いつでも引き出し可能」といった
夢のような話があなたに来たとしたら、どうしますか?
結論から言いますと、それはやはり夢の話です。
投資詐欺(wikipedia) リンク先:http://ja.wikipedia.org/wiki/投資詐欺
こちらを見ていただけば分かるように、いつの時代もうまい話に
人はくらっとしてしまうのです。
どの選択肢を選んでもリスクがあるのなら、いっそのことどれも選ばなければいい
という考えもあるかもしれません。
次回のテーマは「リスクとは何か 選択しないリスクとは」をお届けします。
続きます。