今回の旅行はフィンランド航空を利用した。
名古屋発のヘルシンキ便は約10時間乗る。
長い長い空の旅だ。
これが我慢できなくてはヨーロッパには行けない。
それとも10万円出してビジネスに乗るかだ。
ボクは我慢して10万円を節約したほうがいいタイプだ。
往路でこんなことがあった。
旅の楽しみは、食事だ。
待望の夕食時間になった。
しかし、エコノミー席は後回し。
前方のビジネス席から配膳は始まる。
飛行機ほど待遇差別の激しい乗り物はない。
後方のビジネス席に座ると、食事はかなり遅れる。
なぜか。
乗務員が一人ひとりに「ビーフorチキン?」と聞いて回るからだ。
一歩進んで「ビーフorチキン?」
二歩進んで「ビーフorチキン?」
三歩進んで「ビーフorチキン?」
これでは日が暮れる。
ビーフかチキンに統一したらどうだ!
と思ったころに自分の番が来る。
おもむろに「チキン!」
と言おうと準備していたら。
乗務員が先に頭を下げて言った。
「お客さま。ただいま夕食はビーフのみとなりました」
「まことに申し訳ありませんが、ご協力願えませんでしょうか」
「チキン!」と発音しようと準備していた口が固まった。
時間を置いて
「はは、はい」と言うしかなかった。
エコノミーの悲哀だわな。
乗務員が美人だったし、意外とビーフ味のカレーがおいしかったし、そのことは忘れてしまった。
で、ヘルシンキからバルセロナへは乗り継いでさらに4時間乗らなければならない。
今度は機中で軽食が出る。
しかし軽食は選択性ではない。
全員が同じメニューだ。
中を開けて喜んだ。
パンの中に挟まれていたのは「チキン」だった。
先ほどチキンを食べていたら「チキンのあとにまたチキン」だった。
神はそれを知っていて私にビーフをお与えになったのだ。
そう思うと一人ほほがゆるんでしまった。
