【Episode.3それぞれの旅】
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「そうそう、熱病と言えば、
さっきのマコちゃんがケンカした
沐宇(ムーユー)ちゃん、
彼が大活躍したのよ?」
「あいつがですか?」
「ふふ、沐宇(ムーユー)ちゃんの
処方した薬のおかげで
皆、大事に至らなかったんだから
ただ、ちゃんとした医者いる町で
治療に専念したほうがいいって
隊長に相談したらしいわ」
「…ふ〜ん、でも嫌い
あんな心の狭い奴」
「うふふ、そう?良い子よ、
沐宇(ムーユー)ちゃんは…
ところで、ムーユーちゃんは何歳のとき
故郷(くに)を出たと思う?」
「今も子供だから
赤ちゃんのときですか?」
「あはははっ
本人に子供って言っちゃダメよぉ
すごく気にしてるんだからぁ
あはははっ
…それでね、
…彼の家は貧しくてね、兄弟も多くて
沐宇(ムーユー)ちゃんは
八人兄弟の真ん中辺だったかな?
生活も大変だったらしいの」
「……」
「ある時、沐宇(ムーユー)ちゃんの国、
仞(じん)の王様がね
この世界のどこかにある
不老不死の薬を手に入れよ
って号令をかけたそうよ」
「あるんですか、そんなの?」
「さあ、知らないわ
うふふ
その不老不死の薬を探すため
仞(じん)の国では
何万人という薬師、まあ、お医者さんのことね
お医者さんを世界各地に派遣したの」
「何万人って…」
「それこそ、この隊商と同じくらいの人達が
何千も編成されて世界各地へ不老不死の薬を
探す旅に出たそうよ」
「…もう規模が大きすぎて
想像がつかない」
マコマは溜息混じりに呟いた。
「その時、沐宇(ムーユー)ちゃんは
苦力(クーリー)として、
そのうちの一つの捜索隊に参加したの」
「苦力(クーリー)って何ですか?」
「荷物を運ぶ人のことよ
沐宇(ムーユー)ちゃんはその時十歳
家にお金が入るし
口減らしにもなるって
家を出て苦力として働いた
とても大変だったと思う」
「………(あいつ、私よりずっと小さな時に
もう旅に出てたんだ)」
