人形使いが旅に出る -8ページ目

人形使いが旅に出る

ダークファンタジーライトノベル

 

 

【Episode.3それぞれの旅】

 

7

 

 

 

 

 

マコマは手でそっと涙を拭いながら

アプサラに訊く。

 

「は、話は変わりますけどぉ、アラムの隊商って

いろんな人がいるんですね

びっくりしちゃった

てっきりアラムの商人だけかと思ってました」

 

このままでは泣いてしまう

と焦ったマコマは

慌てて話題を変えた。

 

「…ふふっそうよ よそを旅するには

アラム人だけではやってけない

よその人の力も借りなくっちゃ

とても目的地まで辿り着けないですもの

 

ふふ、この隊はねえ 

最初4つの隊商といっしょに

アラムを出たんだけど

出発の時からトラブル続きでねえ

その度に現地の人に助けて貰ったり

寄り道してたら、とうとう

他の4つの隊に置いてけぼりくらっちゃった…

だから、余計に行く先々の人の

協力を求めないと進めなくなったの

例えばねぇ、そう

マチルダいるでしょ?」

 

「ええ、格好いい傭兵の女性(ひと)」

 

「そう、彼女は元バルティカ帝国

ウラノス教会騎士だったのよ」

 

「へえ、やっぱりこっちの人だったんだ…

名前とか顔付きが何となくこっちの人かなって」

 

「彼女は十五年前の宗教戦争のとき

アラムへ遠征してる途中

辺境のオアシスで戦闘になってね

大怪我して仲間にも見捨てられてたところを

アラム人に助けられたの、それが今の旦那さん

子供も一人いるんじゃないかな?」

 

「へえ…」

 

「私たちがそのオアシスに寄ったとき

水先案内人兼傭兵として雇ったの

正直、戦士としては

そんなに能力は高くないんだけど…

ほら、彼女バルティカ出身だから

こっちの地理に詳しいじゃない?

最初は旦那さんや子供たちと

別れたくなかったみたいだけど

隊長が旦那さんにお金渡しちゃって

話がついたみたい」

 

「家族を残して旅の水先案内人かぁ…

男前だなぁ…」

 

 

 

 

 

 

「今回もそう

隊の中で熱病が蔓延してね

治療と休息が必要だったんだけど

近くに町がなくて困ってたの

そうしたら

近くにナパの町があるっ

街道から少し外れるが、

ここから1番近い町だ

って提案したのも彼女よ」

 

「そっかあ

 マチルダさんの進言がなかったら

私はここにいなかったんだなあ…」