【Episode.3それぞれの旅】
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「…私が元王族だって言ったら
…笑う?」
アプサラは静かに切り出した。
「……いえ、アプサラさんは
そういう高貴な?
何かわかりませんが
そんなオーラが出てますよ
なんか実際、身体中
光に包まれているように見えますもん」
アプサラは一瞬、真面目な顔付きになって
動きを止めた。
そして改めてマコマの顔を覗き込むように
ジッと静かに見つめた。
そして
少しとぼけたような
いつものアプサラに戻った。
「ふふっ私がアラムの王族の
生まれだからかなぁ?
王族って言っても
アラムは一夫多妻制の国だから
一般の男の人でも何人か娶るの
妻が多いほど経済力があるみたいな?
だから王様にいたっては
百人近い妻がいるのよ」
「ハーレムってやつですか?」
「ふふ、そうね
わたしの母はアラム隣国の
小さな国の王族だった
政略結婚でしょうね…
アラムの王様に嫁いて
私が生まれた」
しばらくアプサラの眼は
ここではない、
何処か遠くをみつめていた。
そして続ける。
「…幼い時
私は悪い病気にかかってね
王様の命令で森に捨てられたの…」
「えっ!」
さらっと話すアプサラの壮絶な過去に
マコマは絶句した。
「…母がずっと泣いてたのを憶えてるわ」
「……森に捨てられて
…どうなったんですか?」
「ふふ、今生きてるでしょ?
捨てられた後
森に住む人達に拾われて
育ててくれた…
いい人達だった…
病気は治らなかったけど、
その人達は病気とうまく付き合う
方法を教えてくれたわ」
「え、今もその病気は治ってないんですか?」
「ええ、治らないわ
一生…」
「そしてある時
森を出て
故郷のアラムに還ったの
でも
もう父も母も死んでしまっていたわ…」
「……」
「そこには頼れる人が
もう誰もいなかったの」
「王族の知り合いも?」
「ええ、幼い時に捨てられ
もう死んだことになってたから
当時のことを憶えている人もいなかったし
身分の証明のしようがなかったの…」
「そんな…」
「この美貌以外
なんの取り柄もない私が…
って、ここ突っ込むところよぉ」
「…あ、はい、、… 自分で言うんかいっ!?」
「ふふ、ありがとう、でね
仕方なく食べるために
この美貌を生かす仕事を探したわ
そして
行き着いたのがアラム王都
マハーワープルのちょっとお高い娼館だったの」
