【Episode.3 それぞれの旅】
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マコマとプッペが残りの作業をしていると
ほぼ下着姿の女性が足早に
二人の元へやって来た。
「ねえ、トイレもう出来たぁ?」
と、言いながら
自分の豊かな胸を押しつけ
マコマのまだ膨らみ切っていない
胸を揉みしだく。
「ぎゃっ!」
「う〜ん、青い果実ねぇ…」
「な、なにやってんですか!?
アプサラさん!」
「ねえちょっと、マコちゃ〜ん
悪いけど
使わせて貰うわよ
もう我慢できないのぉ」
まだ未完成のトイレに駆け込むアプサラ。
「…もう!まだ作ってる最中なのに…」
派手な音を奏でながら
「あ、気にしないから
続けちゃって、
あっ!マコちゃんの犬が見てる…えっちねぇ」
と唖然(あぜん)としているプッペを指差す。
アプサラは、この隊商でマチルダに次いで
マコマに話しかけてきた女性である。
ナパの町を出るとき
マコマは小さめのロバの横を
いっしょに付いて歩いていた。
両脇に酒樽を取り付けられ、
悲しそうな顔で歩いているロバに
「君も大変だなぁ」
と声をかけ同情した。
そのロバの横を大きな二匹の馬に
牽引された荷馬車が
追い抜いて行く。
その時、後ろの仕切り布から
ひとりの女性が顔覗かせた。
若くはないが綺麗な女性だった。
その女性の奥には、
クリシュナ隊長の姿も見えた。
「あなたが例の新入りさん?
名前は?」
女性はマコマに訊ねた。
「マコマ・レインフォールです
よろしくお願いしますっ」
「へぇ、マコちゃんかぁ
可愛いわねぇ
私はアプサラ
よろしくねぇ」
隊長のクリシュナや
隊商にいる商人達同様
アラム人のアプサラは、肌が浅黒く
目鼻立ちがくっきりしている。
しかし、目の色だけは
他のアラム人と違って
透き通るような
青色で不思議な魅力を放っていた。
マコマはこの女性が
気さくで話しやすいと思った。
「いくつ?」
「今年14になりました」
「そっかぁ、あなたも大変ねえ
まだ若いのに…
親に売られたんでしょう?」
「え?
…なんのことですか?」
「隠さなくていいわよぉ、
私も似たようなもんだから
同じ境遇の身同士
仲良くしましょうねぇ」
明らかに勘違いしていた。
