【Episode.3それぞれの旅】
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少年の顔は
中東のアラム人でもなく
バルティカ帝国諸国の人たちとも
顔立ちが明らかに違う。
肌の色はアラム人のように浅黒くもなく
バルティカ人のように白くもない。
鼻は低く、眼は一重で
小さく細い。
マコマが初めて見るタイプの顔。
年齢はマコマと同じくらいか
少し下のように見える。
服装もこの辺では見たことがないもの。
マコマの住んでいたナパの町では、
近年、東洋の文化が流行っていた。
文字であったり
服であったりと
少年の着ている服は
その東洋の「キモノ」
という服装によく似ていた。
ずっと見られていることに
少し苛立ちを覚えた少年は
「なんでしょうか?なにかついてますか、
僕の顔に?」
「あ、ごめんなさい、つい珍しくて…
私の名前はマコマ・レインフォール、
ナパ出身の人形使い、よろしくね」
「…周(ジョウ)です
よろしく」
「ねえねえ、どこ出身?アラムの人?違うよね?
何を扱っているの?」
「……」
周(ジョウ)はムッとしたまま応えようとしない。
見かねたチョビ髭の商人ハキームが
二人を交互に見ながら応えた。
「ははは、彼はアラムよりもっと東にある
仞(じん)というバルティカにも
引けを取らないくらい
大きな国からやって来た薬師だよ
こっちでいう医者かな?」
「へえ、子供なのにお医者さんってすごい!」
周(ジョウ)の中で何かがキレた…
「…子供ってっ!
失礼な奴だなっ君は!
僕はこう見えて二十六だぞっ!
君は幾つなんだ?えっ!?
君の方が子供じゃないかっ!
だいたい初対面で
不躾過ぎるんだよっ!
だいいち、どこ出身でもいいだろっ
君には関係ないことだ
あっ!ほら見ろっ!
汁がこぼれて服に付いたじゃないかっ!
君がバカなこと言うからだぞっ」
堰を切ったように
早口で恨み言をまくし立てる周(ジョウ)。
この異常な光景に
食事をしていた周りの人達は
二人に視線が釘付けになる。
こぼしたスープも自分のせいにされたマコマは
頭にきて
「ちょっと興味があったから
訊いてみただけじゃないっ!
そんなにヒステリックになることなのっ!?
大したことでもないのに
ねちねちとっ!
あなたの方が子供じゃない!」
マコマもキレた。
