(2)【Prologue】2 | 人形使いが旅に出る

人形使いが旅に出る

ダークファンタジーライトノベル

 

【Prologue】

 

2

 

 

 

 

 子供達は少女の足元を

四足歩行でテトテト歩く

犬のような木人形に

興味を惹かれたのだろう。

不思議なことにその木人形は

操り糸で操られているようには見えず、

まるで自我を持って歩いているようだった。

 

 

 

「木のにんぎょう?いぬ?」

 

「どうやってうごいてるの?」

 

「おくちとおはなが、まがってるよ?」

 

「おもしろいかお〜へんなの〜ww」

 

「ひたいにへんなもじ〜」

 

 子供達は不躾に

少女とその木人形に話しかける。

木人形は興味津々の子供たちに囲まれ

突付かれたり散々からかわれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 すると、木人形はうつむき加減に

ピクピク震えながら不意に

スクッと立ち上がった。

 

まるで人間のように…

 

 そして異様に左方向ヘ曲がった口元から

「おまえらっ!噛み殺すでヤンス!」

怒声が飛び出した。

 子供達は唖然とする。

 

「こらっプッペ!」

 

 プッペと呼ばれた木人形は

納得のいかない顔を少女に向けた。

 

少女は少し困った顔をしながら右手で

握り拳を作りプッペを軽く小突く仕草をする。

 

 子供達は、ただでさえ

操り糸もなく動く木人形が不思議なのに

まさか喋るとは

思いもよらなかったのだろう。

あんぐりと口を開けたまま

しばらく呆然として、

二人のやり取りを見つめていた。

 

 

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