3.相対性理論前夜

19世紀末頃の物理学会においては、
ニュートンさんは絶対神みたいな
存在だったようです。
 
物理学は、ニュートンさん以後
およそ200年間に渡りこの人の論理の
うえに構築されてきたんだから
そりゃ、神格化もされちゃいますよね。
余談ですが、
このニュートンさん実は性格もとても
悪かったらしいです。

んで、このニュートンさんの物理学の
基礎の基礎の部分にある原理が、
先に書いた「絶対時間」、「絶対空間」
なんですね。

 ・絶対時間って
  「時間はどこでも同じ様に流れるわ」
 ・絶対空間って
  「ものの長さや大きさや
   質量はどこでも同じよ」
という事で、

何にたいして絶対かというと、
「空間や時間は、物や運動になんかに
影響されない絶対的な存在ですのん」
という事です。
 
普通に考えたら当たり前で
まっとうな事をだから疑う人は
だれもいなかったか、
誰かがチョット反論しても
ニュートンさんが大きな声で
論破しちゃったんじゃないかしら。

でも、空間や時間が絶対だと
証明した人はだれもいなかったんですよ。
 
その後、
19世紀の中頃にマックスウェルさんが
光(電磁波)の速さは誘電率と透磁率により
決定されることを発見したことが
破局の始まりだったようです。
つまり、光の速度はその発信者の
運動に無関係だと言うことで、
もうひとつ絶対的なものが
でてきちゃったんですね。

その次が1887年に
マイケルソンさんとモーリーさんにより
行われた実験で、
地球の公転速度(時速108,000km)を
利用してエーテルを検出してやるー!
と意気込んで実験したんですよ。
それまでの物理学では、
光は波でありエーテルという
未知の物質により伝わると
考えられてました。
 
この考えは、
ニュートンさんの絶対空間、絶対時間
という概念にもとづいており、
エーテルはこの世の中の全ての空間を
埋め尽くしていると考えられてましたが、
まだだれもこのエーテルを検出した人は
いませんでした。

その実験は、
誰も文句をつけられないくらい
精密で正確な実験だったそうです。
そう、後にノーベル賞をもらっちゃう
くらい立派な研究でした。
しかしてその実験結果はというと! 

エーテルは見つかりませんでした!!!!
 
このころになると、
どうにか絶対神ニュートンさんが
となえた、絶対空間、絶対時間の概念を
守るために多くの人が
苦心しているんですよね。
 
その中でもローレンツさん。
この人はマイケルソン/モーリーの実験で
エーテルが検出できなかったのは
エーテルの風をうけて
空間の長さが縮んだからだと考えて
ローレンツ短縮なるものを
考え出したんです。
この収縮の量を求める方程式は、
実はアインシュタインさんの
特殊相対性理論の中で、
時間の遅れや、空間の短縮を求める
方程式そのもので、
これをアインシュタインさんが
特殊相対性理論の論文を発表する
1年前の1904年に
発表してるんですよ。
 
んん~!ローレンツさんおしい!
もう少しで特殊相対性理論は
君のものだったかもしれない。
でも、ローレンツさんの理論は
あくまでエーテル理論の修正版で
あったため色々とつじつまの
合わないこともあったらしいんですよ。

そして、
1905年「運動物体の電気力学について」
という論文が発表されました。
そう、これこそ後に「特殊相対性理論」
と呼ばれるようになった
アインシュタインさんが
投稿した論文です。

え?なんか
相対性理論のイメージと違くない?って
思いません?
「光」も光速度もでてこないし・・・・

そう、つまりアインシュタインさんは、
マックスウェルさんの理論の
光(電磁波)の速度は透磁率と誘電率に
よって決まるという事を
高速運動する物体に当てはめたとき
どうなるかを考察する論文を書いた
ということなんです。

つまり、光の速度は不変であるという
ことはマックスウェルさんが発見し
その効果である空間の短縮は
ローレンツさんが定式化してるわけです。

じゃーアインシュタインさんは
何をしたのかしら。
 
 アインシュタインさんのやった事は
過去200年間積み上げてきた
物理学の根底の部分である
「絶対空間」と「絶対時間」を
あっさりと否定して、
そこから理論を再構築したところが
スゴいとこなんですよね。
 
それどういう事かというと

「なんかー、
光の速度は一定みたいだからー
これをベースに物理学作りかえて
みました〜」
 
「おいおいおい、
そんなことしたら絶対空間も絶対時間も
メチャクチャになっちゃうじゃん」
 
「そーだよ」
 
「そんなことしたら、
長さとか時間とかがグチャグチャに
なっちゃうじゃん」
 
「そーよ」
 
「ええええええっえ〜〜〜〜」
 
「だからー、
光の速度を不変って事にして、
時間も長さも重さもグニャグニャに
変わっちゃう物理学を考えました〜〜」
 
大雑把に言えばこれが、
特殊相対性理論です。
 
ある人はアインシュタインさんが
発表しなくても、
特殊相対性理論は、数年のうちに
誰かが発表していただろうと言ってます。
それくらい、
誕生の寸前まできていたところを
アインシュタインさんが、
その栄冠を勝ち取ったみたいな
感じの様です。

でも、アインシュタインさんを
本当に天才と言わしめたのは、
一般相対性理論の成果ではないかと
思います。
それは、重力と宇宙の構造を
解き明かした真に独創的な
発明だったのだと思います。