『少林寺 無敵の鉄線拳』 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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〜鉄腕炸裂!正義は必ず勝つ!!〜

心優しき少年・梁坤(りょうこん)は、幼馴染の白兄妹を町の富豪である胡家のドラ息子・大海(たいかい)から守れなかったことを悔やみ少林寺の門を叩いた。
少林寺で鍛錬を重ねた梁坤は凄腕の拳法家へと成長するも、己の強さを誇示した慢心から少林寺を追い出されてしまう。
故郷へと帰る途中、悪の組織・万蟲宗(ばんこしゅう)に襲われていた蟲使いの兄妹を救った梁坤。
梁坤は故郷にて幼馴染の白筱(ばいしょう)と再会し愛を誓いあうが、そこへ大海の魔の手が白筱に迫り、更には万蟲宗も梁坤を狙う。
そして、事態は最悪の展開を迎えるのだった――。



はい、ちゅーわけでサブスクで観ました『少林寺 無敵の鉄線拳』!
いやね、アジア映画界のカール・アーバン的だと個人的には思うルイス・ファンが主役を張ったというので凄く興味があったし、ルイス・ファンは幼き頃から拳法を身に着けた人らしいので、ドニー・イェンの『イップ・マン』シリーズでの確かっぽい感じな腕前といい期待しかなかったのですよ。
でですね、観た結果、凄く楽しい映画だった!!

本作は物語の展開や流血描写がなかなか容赦がなく、その実かなりハードコアなんですが、どこか間の抜けたコメディっぷりと見切り発車的なヤケクソ展開が雰囲気を明るくしています。

本作はどういう話なのか簡単にいうと、田舎の金持ち親子は案の定クズ外道の極みで、しかも物凄く安っぽいショッカーみたいな秘密結社であり、それを少林寺で修行した正義の味方ルイス・ファンが37564にするという感じ。

本当にそんだけ。

あと、邦題には「少林寺」とあるけど、ルイス・ファンが少林寺に居るのは最初の10分弱
ルイス・ファンは物語開始早々に即行で少林寺を破門されて実家に帰ります。

で、実家地帯の金持ちのクソ野郎のドラ息子にメンチを切ったら、刺客が襲ってきて、挙げ句の果てにドラ息子によって親友と恋人を惨殺されたの巻。
しかも恋人はドラ息子にがっつりレイプされるというオマケ付き。
……というように、先の通り本作は中々にハードコアでエグい。

で、少林寺の方丈が言った「殺生はいかん」という最後の教えを本格的に本当にど忘れして復讐に燃えるルイス・ファンは、なんというか出来損ないのジャッキーみたいな酔拳の達人(演:カンティ・ラウ)等と共に先の通り悪の組織(ドラ息子の親父が首領のやつね)を壊滅させて武術界を救うのです。

そんな、繰り返しますが、本当に行き当たりばったりな展開の本作ですが、非常に様々な見所があります。

まずは、ルイス・ファンの鍛え上げられた肉体と確固たる武術アクションが花マル。
ルイス・ファンはドニー・イェンの『イップ・マン』シリーズでもそうでしたが、剛拳的なやつが十八番なのかな?
そんなルイス・ファンの武術アクションが本当に素晴らしいです。
やり過ぎで違和感バリバリなワイヤーアクションの場面以外はスタントの人たちも含めて皆非常に頑張っていて好感しかない。

あと、ドラ息子の親父役の人はカンフー映画界のスターみたいですね。個人的にアジア映画界隈は本当ににわかの極みなのでこの役者さんについては全く知りませんでしたが、最後といい、ルイス・ファンとの決戦は全編にわたって非常に良かったです。

また、そのドラ息子の親父が放つ刺客の一人がなんと日本の侍なんですが、彼は仁義を重んじる非常に潔いキャラでして。
ルイス・ファンに即行で敗北するんですが、ルイス・ファンと意気投合して、同じ刺客仲間のエロい感じの姉ちゃんからルイス・ファンを剣技で庇い、彼女を刀で倒した後に律儀にお辞儀をして颯爽と去っていくんですよ。
このお侍さんがね、非常に良かったです。

思えば、出来損ないのジャッキーみたいな酔拳使いの老師も憎めないキャラでしたわ。

ただ、悪役の一人であるドラ息子はバーサーク状態のルイス・ファンにあっさり撲殺されるのではなくて、ちゃんと武術でもって滅殺してほしい気はしなくもなかったです。
でも、ドラ息子は所詮は薄っぺらいので、あの最期で良かったのかもしれませんな。
ドラ息子は最初から最後までキャラがブレませんでしたが、しかしながら本当に最初から最期まで存在が非常に薄っぺらかったので正直言って不必要なキャラに感じてしまったのが残念ではありました。

そのドラ息子の親父の組織“万蟲宗”の構成員達は皆、デスマスクをした中華風忍者というようなコスプレをしているのですが、これが結構サマになっていてカッコいいんですよね。
本作は衣装とかがサブキャラまで結構凝っていてカッコいいのです。


とまあ、大体こんな感じですかね。
久々に頭を空っぽにして純粋に楽しめました。
本作は良い映画だと思います。
只でさえ田舎の近所の兄ちゃん感丸出しな面構えのルイス・ファンが一層飾らない素朴さなので(脇毛がキュート)、個人的には非常に親近感が湧きますね。
やり過ぎなワイヤーアクション以外のアクションシーンは至って堅実であり、全体的に古き良き時代の王道カンフー映画の再来、という感じでしょうか…。
カンフー映画そんなに見たこと無いけど。
オサレ系よりもこういうやつのほうが個人的には断然良いです。