『ブルース・リーからの手紙〜シアトル編〜Vol.1』 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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自分の好きなものについて垂れ流していくブログです。基本ネタバレ全開なんでそこんところ注意。

さて、今回は、ブルース・リーの高弟のひとりであるターキー・キムラ氏の本です。

その名も『ブルース・リーからの手紙〜シアトル編〜Vol.1』。


これは、ブルース・リーがターキー・キムラ氏に宛てた手紙やターキー・キムラ氏等のインタビューを載せた本で、ブルース・リーファンならばかなり必見です。

そうでなくとも、日系アメリカ人の歴史等について知りたい方にも必見の書です。


まず冒頭は、ターキー・キムラ氏等のインタビュー、コメントが載っています。

一日本人として、ターキー・キムラ氏の身の上話には胸が締め付けられました。


劣悪なアメリカ社会の中で成長したターキー氏。そんな中で、ある日ひょんなことからアメリカに来たばかりの一人の若い青年と出逢います。

何を隠そう彼こそがブルース・リーこと李小龍であった。というわけ。


当時、ブルース・リーは下宿先であるルビー・チョウのレストランで働いていたそうで。

これ、『ブルース・リーの哲理思想』のルビー・チョウのインタビューではルビー・チョウはブルース・リーを働かせたことはなかったと言っているけど、こっちではガンガン働かされていた感じ。

証言としては、ターキー氏の方を俺は信じたい。


最初は舐められていると勘違いしたブルース・リーはキレまくるんだけど、誤解だと気づくとすぐにターキー氏等と意気投合。そこから、ターキー氏との友情がはじまります。


ブルース・リーの手紙の文面から見えてくるのは、ブルース・リーは、まずは非常に繊細で丁寧かつ律儀だということ。中でも、文末には友への心遣いの一文を必ず入れているのが好感です。

そして、思考や思想は非常に理路整然としていて、哲学を大学で専攻していただけあって凄く頭が良い感じがビシバシ伝わってくる。


あとは、ブルース・リーは結構気が短いというか、せっかちなんだなぁと(笑)


手紙の文の量と手紙の量が凄いわけで、ブルース・リーは根っからの話し好きだったのではないかと思われます。


こうして、ブルース・リーの素を知れて、ブルース・リーは当たり前だけど、凄く人間的で人間味溢れる人だったんだなぁという印象です。


まったく…、ブルース・リーにはもうね、好感しかありませんですよ。


そして、ブルース・リーとターキー氏の厚い友情に感動。


本書はまだ序の口の序の口。アメリカで発売されるや即完売の勢いだったという本書。

日本では未だに続刊してないんだよなぁ…。残念。


そして最後に、ブルース・リーの手紙は非常にタメになりますが、特に個人的に離婚されたターキー氏に宛てた手紙が、読んでるこっちまで物凄くタメになるし一番勇気をもらったので一部抜粋して紹介します。


“(略)ーー人生には、プラスとマイナスがつきものだ。(略)幸い、僕たち人間というのは「自分自身の気持ちや態度を断固としてコントロールする特性」を持っている。(略)人生は流れ続けるプロセスなんだ。その流れのどこかで時には不愉快なことが現れることもあるだろうーーそして心に傷痕を残すかもしれない。それでも人生は流れる水のごとく流れ続けていくんだ。流れが止まってしまうと水は澱んでしまう。友よ、勇気を持って前に進むんだ。あらゆる経験は僕達に教訓を与えてくれるものだ(略)”