『武装錬金』文庫版 | 日々是(ひびこれ)デス・ロード

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自分の好きなものについて垂れ流していくブログです。基本ネタバレ全開なんでそこんところ注意。

「貫け!俺の武装錬金!!」

個人的に、一度叫んでみたいワード上位である。

何時以来だろうなぁ…、『武装錬金』…。
電子書籍を所有していない脆弱な俺は、この度、大人買いした『武装錬金』の文庫版を読破した次第である。

やはり傑作だなぁ!!と思う。
個人的に和月先生の漫画の中では『るろ剣』を抑えて一番大好きなんですよね。
ということで、今回は「何を隠そう、俺はブログ投稿の達人!」…になりたい小生が、大大大好きな漫画の一つである『武装錬金』を紹介します。



平凡な高校2年生・武藤カズキは、ある日の夜、ある一人の女性が巨大な“バケモノ”に襲われようとしているところを庇おうとして、そしてあっけなく死んだ。
だが、その女性はその“バケモノ”を倒すため自ら囮となっていたにすぎなかった。
彼女の名は、津村斗貴子。人間を喰らうその“バケモノ”…“ホムンクルス”を倒し人々を守る組織・“錬金戦団”に所属する“錬金の戦士”の一人なのだ。
斗貴子によって“武装錬金”を生み出すことができるアイテム・“核鉄(かくがね)”を失った心臓の代わりにして命を救われたカズキ。
そしてホムンクルスの存在を知ったカズキは、人々を守るため自身も戦うことを決意するのだったーー。



確固たる各種設定、友情・努力・勝利、清々しいほど王道を地で行くストーリー、ちゃんとした主人公とヒロイン、そして彼らを取り巻く超個性的で魅力的なキャラクター達、確かなテーマ性とドラマ性etc.…。この漫画には無駄というものが全くもって存在しない。
おまけにお話がコンパクトだから普通に読みやすい!(このまま長期連載化してたらレギュラーキャラから死亡者が出ていたとかなんとか)

まずは、肝心の主人公である武藤カズキである。
一言で言えば、彼は、正義漢・熱血漢を画に描いたような実に気持ちが良い主人公である。
その様は、きっとひねくれた者でなくとも時代遅れと言われるかもしれない。だがそこが良い!!
ライバルであるパピヨンこと蝶野攻爵(後述)から偽善者呼ばわりされまくるが、その純真なほどの真っ直ぐさはヒロインの斗貴子さんをはじめ、周りの連中に良い影響を及ぼしていく。
多分だが、『仮面ライダークウガ』の主人公こと五代雄介に共感できるならば、きっとカズキのことも好きになるに違いないと思う。
現実では綺麗事の実現は難しいことを切に理解しつつもなお綺麗事を実現しようと頑張る男・五代雄介。カズキも俺が大好きな五代君と似たような基本的スタンスの男である。まあ、しかし所詮はまだ10代。悩み多き年頃である。完璧に見えて実はまだ成長途中のカズキの成長譚も見所の一つだ。

そんなカズキにウルトラ戦士ばりに新しい命を与えたのが斗貴子さんこと本作のメインヒロインの津村斗貴子さんである。因みにカズキより一つ歳上(クラスは一緒)な、一人称は「私」の男口調の姉系ヒロインだ!
そして、この斗貴子さん、過去にあったホムンクルスによる虐殺事件のただ一人の生存者である。その時の計り知れないショックにより、その事件の記憶は断片的にしか覚えていない。
しかし、ホムンクルスへの憎しみはしっかりと根付いていて、当初はホムンクルス並びにホムンクルスに関わる者全てに鬼のような憎悪を向けていた。
決め台詞は「臓物(はらわた)をブチ撒けろ!!」
基本的にカズキがピッチャーならば斗貴子さんはキャッチャー、つまりはツッコミ役なわけだが、たまにボケる。そこが可愛い。
顔の傷とおへそがチャームポイントだ!そして、アニメの柚木涼香ボイスが魅力的だぞ!

続いて、カズキの永遠のライバルである本作屈指の変態・蝶野攻爵もといパピヨン。
こいつは一言で言えば超変態にして超病弱な超天才
独学で曾祖父・蝶野爆爵ことドクトルバタフライが練り上げた錬金術の研究を完全再現し、最終的にその更に上を行ったという超☆変☆態である。
自らホムンクルスを生み出した彼の目的は、それらを踏み台にして最終的に自身がホムンクルスとなって病魔を克服し、人間を越えることにあった。
しかしである。次々と傘下のホムンクルスを撃破するカズキと斗貴子さん、更には家督を狙う弟の次郎により計画は破綻。何とかホムンクルスの幼体みたいなもんを取り込んでホムンクルス化するも、病弱なのはそのまま、という不完全なホムンクルスとなってしまう。
しかしである。ホムンクルスに無事に羽化、変体…否、変☆態した攻爵は、名をパピヨンと改めてパピヨンマスクの変態貴公子に覚醒したのであった!
そして、一度はカズキに殺されるも、ドクトルバタフライの手により復活。
ドクトルバタフライと腹の探り合いをしつつ、カズキに異常なまでの執着を見せるのだった。

そして、個人的に好きなのが、斗貴子さんの上司であるキャプテンブラボーだ!!本名は書かない!何故ならその方がかっこいいから!!
超ブラボーなこの男。アニメでもブラボーであった。声はなんと江原正士!ブラボー!!
使用武装錬金はボディスーツ状の武装錬金・“シルバースキン”。本人の地力もさることながらこのシルバースキンは鉄壁、瞬時の修復能力が主であるが、その応用力がパない!詳しくは本編を見よう!
この彼、キャプテンブラボーはシルバースキンを身に纏い、主に己の五体のみで戦うという戦闘スタイルである。ブラボー!!
そこから繰り出される必殺技は例えばチョップで海をかち割るレベルである。キャプテンブラボーマジブラボー!!
「善でも!悪でも!最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない!!」
ブラボーな名言である。


そんでもって、パピヨン軍団を壊滅させたは良いが、今度はドクトルバタフライ率いるホムンクルス集団・LXE(超常選民同盟)と本格的に戦うことになるカズキ。最終的に、自分の学舎が、そこの生徒達がまとめて標的となる。
学校を襲うホムンクルス集団も生徒達の声援を背に無事撃破したカズキと斗貴子さん(ここまでのくだりがガチで泣ける)
そんな中、かねてより謀反起こす気満々だったパピヨンが遂に謀反を起こしてドクトルバタフライと対峙、ドクトルバタフライを撃破。
が、しかし真の敵はホムンクルスだけではなかったのだ。
ドクトルバタフライのホムンクルス達はとある一人の男のためのいわば前座。
その男・ヴィクターが長い眠りから遂に復活!
かつて錬金戦団を裏切ったというこの男。早い話が、自分をスペシャルな核鉄である黒い核鉄の実験台にされた落とし前を錬金戦団に要求し、戦団に対して尋常でない復讐心を投げつける。
更には、カズキの核鉄も実は偽装処理を施した黒い核鉄の一つであることが判明
カズキは闘争本能が高ぶると早い話が人間を辞めてしまうのだった!
しかも更に厄介なことに、黒い核鉄でヴィクター化した者は周りの生命エネルギーを呼吸と同じ感覚で吸収し続ける、言わば歩く殺人者となるのだ!
更に更に追い討ちをかけるがごとくカズキ再殺指令がブラボー達錬金の戦士に下されるのだった…。
完全にヴィクター化する前にカズキを殺し、次いでヴィクターも倒す、という戦団の魂胆である。
せっかく錬金の戦士になったのに、早々に敵対することになったブラボー達錬金戦団。そして、カズキが完全にヴィクター化するまでの猶予は残り六週間。斗貴子さんはカズキと運命共同体となる道を選ぶ!ついでに斗貴子さんの後輩の剛太もそんな愛しの斗貴子さんを守る為に戦団を離反。こうして三人の逃避行がはじまり、そして迫り来る錬金戦団の狂犬達。「カズキと戦団、どっちが悪者だよ…」と剛太をドン引きさせるクレイジーさを戦団は見せる。
そして迎える運命の刻ーー!!
この先はもう、四の五の言わずに本編を読め!!としか言いようがない。


と、まあ、これが『武装錬金』の大体の概要である。
この漫画、やっぱり細部に至るまで凄い良くできていて何度読み返しても全く飽きない。和月先生はやっぱ流石である。
個人的に、他には、特にカズキの友人達とカズキの妹・まひろとその友人達が良いな〜なんて思う。
カズキの友人達との友情は読んでるこっちまで心強くなるし要所要所で凄い泣ける。
アニメ版も、個人的にはキャスト含めほぼ完璧な出来。
特に主題歌である超名曲『真赤な誓い』は有名であろう。

今回紹介した文庫版はコミックのおまけページとあとがきは載ってないが、毎巻に新規描き下ろしのストーリー『武装錬金アフターアフター』が載っていて、更には最終巻にはちゃんと『武装錬金アフター』が載っている安心仕様である。

そんな『武装錬金』、まごうことなき超傑作漫画である。
未読ならば、是非とも超お薦めする。

因みに俺も斗貴子さんの傷とおヘソ、大好きだぞ!

そして、さあ、皆で叫ぼう!大きな声で愛を込めて、「パピ☆ヨン☆」と!!