日常は一瞬にして崩れ去る
欲望のまま生きる日々が私を作り上げた
小さな村での力の正義
その時は彼が強者だったのだ
民衆は彼を忌み嫌い
その革靴の中に悪魔を潜ませた
そして彼は目を閉じた
次に彼が目を覚ましたのは暗く狭く臭い闇の中
彼は異質なうめき声を上げそしてそれはゾンビの様だった
翌日に掘り起こされた彼を待つのは
嫌悪の対象として扱われる日々
隷属の日々
抹殺された命
偏見の先の投獄
偽りの死が招く絶望
世の地獄の様な日々
唯一の救いは遅い知能のみ
日常は一瞬にして形をかえる
欲望さえもなくなり無能な脳がそこにある
裏側での恐怖政治
あの時の彼らは見る影もなくなる
民衆は彼を忘れる
あの革靴の中の悪魔が全てを変えた
そして彼は
反復の日々
恐喝 鞭
聞き飽きた鞭の音
恐怖を感じる脳は働かず
ただ単純な労働を強要されるのみ
救われた命 救われない命
どちらの結末も最後は絶望
助け出されたとしてもみじめな最後を迎えるだけ

まるで生きた屍の様に
その絶望は地獄から巡る


ずっと前書いたやつだけど結局使わなかったからのせよう
三途の前に咲く花の その香りこそ芳しく
三途の前に咲く花を 君の腐った腕が包む

遠く窓辺に咲く花を ただ愛でるだけの毎日よ
ぼくはそれでも幸せを 噛み締め日々を生きている
時に色づき 時に蒼 夜も更ければ幕が下りる
毎夜終わりを告げてから 明朝開いて君が映る
君の色だけ見られれば この世の総てを捨てられる
愛しき君よどうか永久に 散ることなかれ梔子の花

嗚呼 終わりが来るなどと 誰が安しと信ずるか
嗚呼 美し君の花が 見るも無残に散りゆく

三途の前に咲く花よ 今君薫りて何望む
三途の前に咲く花よ 君の無念を晴らそうか
三途の前に咲く花で 花束作り彼に送る
三途の前に咲く花の 言葉の通り赤に染める

小さな恋に生きる君を 遠く陰から見守っている
君に気付かれない様に いつも陰から見守っている
時が来るまでこのままと 永久を願えば儚き事
それは突然訪れる 響く悲鳴を飛び散る赤
何が君を追い込んだ ぼくではそれから救えない
救えるはずの彼の腕は 違う花束で埋まっている

嗚呼 金雀枝を抱えた君よ 何故その花を散らしたか
嗚呼 ぼくが拾い集め 小さな箱に入れてあげよう

三途の前で咲く花の 怨みの色をこの胸に
三途の前で咲く花の 怨みの声をこの喉に
三途の前で咲く花を 胸に一輪差し入れて
三途の前で咲く花の 総ての恨みを晴らそうか


消えてしまう その前に 魂を その恨みを
儚い命と 唾を吐かれて 何も総てを受け入れるな

握りしめたこの花束と 鈍い切っ先胸に秘め
歩みを速め近づいては その花を紅く染めてやる
総ての怨みを込めたこの オトギリソウの花束を
崩れゆく彼の空いた胸に はじけるばかりに詰めてやる

君の為にと 花を贈る




ストーカーの詩を書きました
こんな人間ですみません