従心への武道〜〜デジタル空手武道通信 第63号・号外編より | 増田 章の「身体で考える」〜身体を拓き 心を高める

極真会館増田道場のみなさんへ〜デジタル空手武道通信 第63号 号外編より

 

 

従心への武道

 

 コロナパンデミックと同時に組手稽古による飛沫感染防止のため、打撃技の修練方法の改定に踏み切りました。次は投げ技や逆技と打撃技を融合した稽古・修練の実施です。もうしばらくお待ちください。教本を作成しています。

 

 全ては、3年前に始まったコロナパンデミックの中、背水の陣の気持ちの判断・行動の継続と展開です。です。その展開についてこれない人もいたかもしれません。しかし、理念なき競技方法、組手方法、勝敗にこだわる修練は、武道の修練ではないと思います。

 

 さて、私はこれまで変化しない真を掴みたいと思って生きてきました。その思いが消えることはありません。しかしながら、未だ私は真を掴むことができていません。ただ、「変化し続けるものが変化しないものだ」と思っています。わけのわからないことを言っていると思うかもしれません。

 

 いつまでも大人になれず、かといって子供でもない、そんな私も「耳順(60歳)」の年齢を越えました。本来なら若い人の前に出しゃばらず、引退する年齢です。そんな年になり、また空手を始めてから約50年、ようやく迷いの雲が晴れてきています。もう、でしゃばるつもりは毛頭ありません。また、どこまでやれるかもわかりません。さらに言えば、途中で野垂れ死ぬ可能性もあります。 

 

 大袈裟に思われるでしょうが、まずは65歳まで。次に従心(70歳〜心の欲するところに従えども矩を踰えず〜論語)まで。体力は衰えましたが命懸けの冒険だと思って取り組んでいきます。

 

 最後に、増田道場には30年以上も私と一緒に稽古する黒帯もいます。本当にありがたいことです。これからも、歳を重ねつつも楽しみながら、共に生涯の武道を探す冒険をしていけたら望外の喜びです。

 

 

↓以下、拓心武術・柔法の動画