徳島県三好市池田町佐野・民宿岡田さんにて1泊! | master082オフィシャルブログ"From Sky Across Me"

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更新です。

 

雲辺寺山登山を控え、

アタック前日の15時に、

ベースキャンプ地である

三好市池田町佐野にある「民宿岡田」さんに到着。

 

 

いやぁ。いい佇まいの街で。

 

 

長閑なと言いましょうか。

 

 

店先にいらっしゃったおかみさんに到着した旨を告げ、

中へ入らせていただく。

 

 

入る途中にあるのが、この白物家電。

 

 

 

洗濯物、あったら自由に使ってええよ、お接待するから。

ということなので、それまで着ていたもの全部脱ぎ捨て、

洗濯機にかけた。

全裸の上は、民宿で用意していただける浴衣1枚のみ。

 

 

奥が民宿の玄関。

 

 

その横には椅子、お遍路さんの掲示板と、衣類乾燥機。

こっちは100円/回。

 

 

その横のポカリスエットの自販機は、販売休止。

 

 

ベランダ。その奥には鉄製の橋が架かっている。

20時過ぎると、蛍がふよんふよんしてる。

あちきも見ました。この件、詳細は後出。

 

 

玄関に置いたあちきのスニーカー。

活性炭を入れ匂いを取ってくださっているみたい。

有難いサービスですな。

 

 

玄関入ってまっすぐの廊下。

 

 

入ってすぐ左にある、この部屋に通されました。

 

 

風が抜ける。

 

 

小さいテーブルもある。

 

 

扇風機もテレビもある。

 

 

金剛杖立もある。

おかみさんはさっそく私の杖をこうやって洗って立てて下さった。

 

 

 

 

この時はまだ早いが、本当に蛍出るんかいな?

 

 

風呂湧いてるよ、と言われ、奥の風呂をお借りする。

 

 

15時過ぎに入る民宿の一番風呂。

いいもんですな。

 

っていうか、我が家ではいつも仕事終わりに12-13時くらいに入ってるので、

感覚は似てるかもな。

 

 

部屋のあちこちにある、雲辺寺への山道について記された資料。

気が付けば、まじまじと、片っ端から読みまくっていた。

あと、この民宿を訪れたであろう歩きへんらーの皆様が、

歩きの体験記を自費出版したものが数十冊。

いろいろ読みまくりましたさ。

 

 

いやぁ。ここでしか会えないものって、まだまだあるんだなぁ。

 

これらの資料を外の衣類乾燥機の横の椅子で読んでたら、

ここの主の方が登場。

「いらっしゃい」

「あぁ。お邪魔いたしております」

 

この主は2018年6月現在、93歳(1928年生まれ)。歩きへんらーからは

「お父さん」などと呼ばれているゴッドファーザーのような方。

 

私は、この記事の中では「おやっさん」と

呼ばせていただきます。

 

ちなみに迎えてくれたおかみさんは、

息子さんの奥様らしい。

 

 

 

 

ここは食堂。写真がずらり。菅直人元首相もいました。

 

 

SPとともに警備されながら歩き遍路。

ある意味自由じゃあないな。

 

 

そんなことを思いました。

 

 

これは、この日の夕食の一部。これにご飯と汁物が付きます。

 

18:00。食堂に通され、夕食が始まります。

 

なお、この日の宿泊は私1人のみ。

 

で、まぁ、このおやっさん(以下「や」)がお元気な方でして。

昔の記憶もはっきりと覚えてらっしゃる。

 

宿帳に私の名前と住所を書いたのを見て、

や「ほぉ、広島からきんさったんかいの?」

 

え?

 

や「昔、わしも広島の鉄道学校に行っていて、広島におった」

 

へぇー。

 

や「(表現を一部変えます)1945年8月6日朝、わしも広島におった」

 

あ。そうだったんですか。私の祖父もそうです。

だから、私は被爆3世です。

 

話は雲辺寺山へのへんろ道の案内になり、

スクラップブックを多用したフリップ芸のような

道案内を教えてくださいました。

 

時にはフリップを。

時には手元のスマートフォンを軽く操作しながら、

「このヒトのサイトは分かりやすいよな」とか

注釈が入ったり。

御年90過ぎで、スマホ操作スイスイ。

 

…多分、根っからの理系の方なんだろうな。

 

や「(へんろ道の説明で)ここでこう曲がる、こっち行ったらだめよ。」

 

うんうん。

事前予習はばっちりだな、後は実践だ。

 

おやっさんから、山までの手書きの地図を戴いた。

や「ところが、これが最近ネットに流出してのぉ…」

 

最近はなんでもネットに頼る。途中で道を間違うことを

恥と思い、間違えまい、という行動が先走る。

そういうツールに依存してしまうし、

最近ではへんろ道の歩いた様子を動画にとってネットで公開してる

なんてものもありますもんね。

 

道に迷う、

というのも

へんろの楽しみ。

 

このおやっさんの言葉は、腑に落ちた。

 

おやっさんに訊いてみた。

私、この道、佐野から雲辺寺まで2時間で歩くのを目指してます。

(自費出版遍路記数冊から導き出した所要時間)

 

や「うん、あんたやったらいけるやろ」

 

何だか自信になる。

 

や「歩きは結構やってんの?」

 

いや、1回目はバスツアー、5回マイカー、で今回は歩きをちょくちょく…

 

や「立派やなぁ」

 

いえいえ、とてもそんなもんじゃあ…

 

や「先達にはならんのんか?」

 

お寺の前で、ご本尊が何で、ご真言が何で、

寺の縁起が空で暗唱出来るか、私はできない。

それに、「○○について教えてくれ」と言われても

それについて正しい答えを導ける自信がない、だからなれない、と

思ってる。

あとは、ご縁ですよ。タイミングですよ。

 

などと、他愛ない話をとつとつと19時過ぎまでだーらだーらと。

 

ここでお会計。1泊2食付きで、6,500円(税込)。

ラガービールは、500円/本です。

 

私は食事でもご飯とみそ汁とビールは同時に飲食できるので、

気が付けば、宿のキリンラガービール、大瓶5本開けてしまいました。

 

 

いや、ほとんどは昼間消費した水分補給になってしまった…はず。

それにしても、水分補給をビールでやろうとするあちき、やはり変かも。

 

 

自分のペースを守って歩こう。

 

で。

20時過ぎ、民宿前の川に、ちょいと出てみました。

なんでも、ここ、ホタルが出るそうで。

 

出てました。

実は、うちの近くでも、もっと言うと、母の実家のそばの川でも

夏になるとホタルが出ます。

 

そうは言っても、ここ数年見てないなぁ。

ばあちゃん家、泊りがけで行くことないもんなぁ。

 

なお、写真はありません。

写真撮ったんですが、写りませんでした。

ぜひ、現地でご確認ください。

 

翌朝、おやっさんに聞いてみたら、

や「こないだ千葉かどっかから来た方は感動しとったよ」

 

とのこと。

 

うんうん。そうだろうなぁ。

東京には空が無いみたいだし(←高村光太郎というフィルターを通した、明らかな皮肉)。

 

閑話休題。

 

 

夜テレビ見てたら、虫が入ってきた。

キンチョールと蚊取り線香の2段構えで臨む。

 

ちょうど、民宿内のパトロール(だと思う)から、隣接の自宅に

戻ろうとしてたおかみさんと、しばらく虫と格闘。

 

2人がかりで蛾を確保!!

 

殺生はよくないが、ティッシュにくるませていただきました。

 

*特定外来種などはいませんでした。

(このままいくと、池やら川やらの水を全部抜く作戦に突入しそうなので、一応付記)

 

 

 

何だか、もう完全に田舎のおばあちゃんちにやってきたみたいな感覚になる。

 

22時過ぎ、バタンキュー。

おやすみなさい。 

 

虫と格闘するのも、久しぶりかも…。

 

 

でも、田舎としては、いいところだよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日付変わり。

4時過ぎ、一度通り雨の音で目覚める。

二度寝。

5時半、再度起床。

 

 

5:45。朝食。これらの皆さんとご飯と味噌汁。

 

いただきます。

食堂には、「NHKおはよう日本」。

しばし、おやっさんとマンツーマンで、

ニュースの内容についてそこはかとない話をする。

 

 

 

あんど、おにぎり。お接待扱い。

旅先で食べなさい、というおやっさんの心意気。

 

や「あんたの脚力なら、昼時は大興寺まで行けるわい」

 

…わし、そこまで行けるじゃろうか。

なんとか、やってみようか。

やってみるだきゃあ、やってみるけど。

 

 

最後のふんばり

急勾配…

 

あるんだ、急勾配。

 

 

よし、行くか。

 

6:15。民宿岡田さんを出る。

登山スタート。

 

でも、後ろは振り返らなかった。

今、ここで振り返ると、

なんだかあちき自身が淋しくなりそうだった。

とりあえず、今はおやっさん・おかみさんの

厚情ばかりが想起する。

それは、いままでのビジネスホテル経験ではなかった思い。

 

ここで涙は流したくない。

家に帰って、思い出に浸りながら流したい。

 

まずは、雲辺寺に向かって、Falling Forward である。

 

続く。