刷り込まれた当たり前 | kantoku's ブログ

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バスケと子供たちを愛する人たちへ

「目標設定」についての面白いエピソードをお話します。


5年前、今の高校2年生の代に、我がシューティングスターズは「全国制覇」を成し遂げました。


それまでの道のりで何度も「福岡県の壁」に跳ね返され、悔しい思いをしていましたが、僕自身にとって4度目の県大会、2度目の決勝進出で初優勝し、全国大会の切符を手に入れたのです。


その代はレギュラー10人全員が6年生というメンバーに恵まれた年で、スタートから連戦連勝、僕も「今年こそ絶対に優勝する」と確信していました。


ただ、今まで何度も壁に跳ね返されていましたので、自信は有るものの万が一、極度の緊張で力を出せなかったら・・・と考えると、やっぱり心の奥は不安で仕方ありませんでした。


そこで僕は子供たちの前ではこんな言葉で振る舞うことに決めたのです。


「お前たちは全国大会に出場して当たり前、目標はただ1つ全国制覇だけだ」と。


来る日も来る日も「県大会は絶対に勝てる」と言っては自信満々に振る舞い、平然とした「演技」をし続けたのです。


「高校野球の甲子園を観てみろ。『全国の予選を勝ち上がった47校が』と言ってるだろ!?そう、県大会は単なる予選なんだ。予選で緊張するようなチームが、全国制覇など出来るはずがない!」と。


そう言い続けて迎えた県大会、順当に勝ち上がって、いよいよ決勝戦。

その試合でも、子供たちはちゃんと落ち着いて結果を出してくれて見事優勝!!


僕はベンチで初栄冠に大はしゃぎ、観客席の保護者に思わずバンザ~イ!


挨拶を終えベンチに戻ってくる子供たちと抱き合おうともろ手を挙げて迎えると・・・

皆が、「あら?監督どうしたの」って感じで普通に通り過ぎて軽~くロータッチだけ。

喜びを透かされてしまったのです。(T_T)


僕は思わず、「全国大会出場だぞ~!もう少し喜ばんか~い!」


子供たち「・・・」


恐るべし日頃の言葉、そしてセルフイメージ。


この勝利が当たり前じゃなかったのは、抜群の「演技力」の僕だけだったわけです。


さぁ、今年の演技にも注目!('-^*)/