もう一度行かせて下さい! | kantoku's ブログ

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バスケと子供たちを愛する人たちへ

今年のベストメンバーを任されているある子の話をします。


その子は5年生の春に入部したのですが、実は最初に来たのはちょうどその1年前、4年生の春でした。

長男は小、中では誰もが知る名選手、そして次男の本人と、2学年下の三男。


その弟(三男)がバスケをしたいからということで、自分も一緒に見学に来たのです。


練習を見ている弟に「うちに入るか?」と聞くと、うんとうなずいた。

続いて次男に「お前も入るか?」と聞くとタメ口で「俺、無理無理無理」と・・・

真剣なうちのチームの練習を見て腰が引けたようでした。


言葉通り本人は入部せず、弟だけが入部。

そして彼は週2回ほど練習があるソフトボールチームへ。


なぜか僕はその無理無理くんが気になって、ご両親に会うたびに「次男は元気?」と声をかけた。

そんなある日、同じように声をかけてみると、「実はソフトも辞めてしまって・・・」と。


僕:「じゃぁうちに連れておいでよ!」

母:「話はしてるんです。でもどうしても嫌だって」

そんな会話が何度か続きました。


そんなある日、練習試合について来ていた本人とバッタリ。

ビックリするほど丸丸と大きくなっていました。


「お前暇だろ?兄ちゃんも弟もバスケに行っててさ」

「無理はしなくていいから試しに体験に来てみろよ」

「週に1日、2日でもいいから。嫌だったら止めればいいし」


その時は黙って聞いていましたが、5年生になったときついに体験に来たのです。


最初は少しずつでした。来たり来なかったり。

それが徐々に慣れて来て、来る日が増え、いつの間にはすべて来るように。


そして今は全国を狙う我がチームのベストメンバーに!o(^-^)o


お父さんが、「監督、あいつがここでこんなにやれるなんて思いもしなかったですよ」と。


でも僕は最初からこうなるとわかっていました。

人は本気で取り組んだことはやめられないんです。

だんだん上手くなっていく自分を好きになるから!


先日の試合中、弱気になった彼をベストメンバーから外しました。

そしたら、目の前にやって来て、うるんだ目で、「監督、もう一度行かせて下さい!」


人は変われるんです。