物語は溝口の一人称で語られます。
彼は吃りがある為に「自分が理解されない事」が存在価値だと思い込むので、周りを理解しません。周りには聖人君子の善人いなければも悪人もいません。少し狡い所とかがある意味、皆人間らしい。でも彼からすると負の側面が強調されてしまいます。
そんな彼に美化され崇拝されたのが金閣寺と友人・鶴川。
まさに愛憎は紙一重です。
自分を現世を繋いでくれた鶴川がいなくなり、金閣寺が憎しみの対象になってからは物語にぐいぐい引き込まれました。
それまではなかなか……。
ただ美しい日本語の情緒溢れる文章なので(内容はネガティブなのに)声に出して読みたくなります。
以前、舞台で観た「鹿鳴館」(劇団四季)や「サド伯爵夫人」(アトリエ・ダンカン)も難しいながらも綺麗な日本語でしたね。
今度の舞台の予習に読みましたが、どんな舞台になるか楽しみになりました。
なかなか読書しないけど、舞台をきっかけに文学作品を読めて良かったです。
…で結局、溝口は誰かに理解して欲しかったのでしょうね。
溝口の深い闇や渇望に比べると、やさぐれな柏木が常識人に見えてくるから不思議。
萩尾望都さんの作の「11人いる!」を豊島区のあうるすぽっとで観劇。
初めて行く劇場はどんな劇場がワクワクする反面、無事行けるか不安でもあります。
が!ここは東京メトロ直結でよかったです。
宇宙大学の最終試験で、様々な星から集まった受験生……見た目も漫画に忠実にしていたのでびっくりです。
頭が岩石の人や、爬虫類系とか…いやはやライフでシリアスに被り物をみる日がくるとは!
山本タダはアンニュイ。
真面目で賢そうなのに、どこかぼんやりしていて、人と違う時間が流れていました。
タダは一生懸命だし悪くないのに、責められ疑われるシーンのうろたえっぷりはさすがでした。
及川フロルは元気いっぱいのラブリーさ全開。
可愛いのに声が男らしいギャップも良かったです。
同期の山本タダとの空気や力関係も自然体でした。
青木バセスカ(王様)は金髪ロングもそれ程違和感なく(他に個性的な人多かったし)、育ちのよさがでていました。
本人が思う程リーダーシップは取れないし、船内では役立たずなのに気付かない天然坊ちゃんぶり(笑)。
林さんはびっくりのリアルさ。
前半はセリフ少ないのに、存在感ありすぎで目で追っちゃいます。
後半のシリアス語りはさすがで、でも所々のコミカルさはオリジナルなのかな。
船戸さんは落ち着いた感じで影のリーダーみたいでした。
原作では気付かなかったけど、一番格好イイんじゃないの![]()
11人それぞれが個性的で、どこを見ればいいか迷ってしまいました。
野菜作りのラップは面白かったです。
冨士さん&篠田さんとくれは歌えちゃいますからね![]()
回想で出てきたフロルの兄役の堀川さんは、ホスト風がはまりすぎ!!
背が高くて声もいいから、存在感があるんですよね~。
メインキャストになるまで頑張って欲しいです。
明るくても切なさが残ったり、しんみりするのが多い中、これほどカラッと希望に満ち溢れて明るラストはライフ作品では珍しいなぁと思いました。
DVDにならないのが残念![]()