女子高生を殺害し、研ぎ澄ましたハサミを首に突き立てる「ハサミ男」。
三人目のターゲットを狙っていたところ誰かに先を越され、うっかり(!?)第一発見者になってしまいました。
この話は、その「ハサミ男」視点と、事件を捜査する刑事の視点で進んでいきます。
「ハサミ男」はアルバイトしながら(正社員のお誘いを受けるのでわりと優秀らしい)、週末に時々自殺未遂をする生活…。哲学的な思考を持つ「医師」にそそのかされ不本意ながら、自分のペースで自分の手口を真似た模倣犯を探していきます。
刑事たちは皆、程よく個性的でよかったです。若手刑事・磯部巡査視点だったので、自然と彼の成長と活躍を期待していましたが…どうなんでしょう。この先、心配ですねぇ

ラストは急展開で、それまでわりと淡々としていたのに、いきなり急発進でした。
真犯人(模倣犯)はよくあるケースといえばそうですが、十分ドキドキハラハラ。
ある意味、可哀相な真犯人…悪い奴なんですけどね。最後はヤケなのか美学なのか……私は「もうどうにでもなれ」の行動だと思いました。
そしてラストは背筋が凍る感じ……「ハサミ男」が怖い。
何も感じない事が一番怖いし無敵です。
ふつうは読後、犯人に対して怒ったり、同情したり、呆れたりしますがこの「ハサミ男」に対しては怖さのみでした。
東野圭吾さんの「白夜行」同様、この「ハサミ男」も文章構成の面白さが際立っていました。
もう絶対に読者ダマすつもりでしょう、みたいな感じです。まぁ、私はしっかりダマされましたよ。
映像化もしているみたいですが、これは何も知らずに読むのが一番だと思いました。