あなたがコスパよく幸せを手に入れるための方法 | 研修医ノート

あなたがコスパよく幸せを手に入れるための方法

最近近所に「一般内科ではなく、とある専門科系内科クリニック」が開業して、往診でその前を通るたびに駐車場が千客万来になっているのが伺えます。

 

その専門科系内科クリニックでは、専門分野の感染症に対してステロイドと抗生剤の併用して延々と患者が治らずうちのクリニックに助けを求めてくるということがしばしばありますので、個人的にはあまり好きじゃないクリニックです。しかし、そこの駐車場はいつも千客万来です。

 

それとは別に徳島市に夜間も通常外来やってるクリニックがあってそこも千客万来みたいですが、看護師さんたちによると「あそこはアカン」とのこと。夜間外来やってたら、昼間仕事してる人がたくさん来ますね。

 

↑これらの事象からわかることは、「他の人と競争する場面においては、広い汎用市場で戦うよりもニッチな市場で戦う方が勝ちやすい」ということ。

 

とある専門科系内科の病気の人はその専門科を標榜しているクリニックに行きたがるし、昼間仕事を休めない人は夜間外来やってるクリニックに行きたがるので。

 

とある専門科系内科や夜間外来やってるクリニックはあまり多くはないので、広い汎用市場ではなくニッチな市場ということです。

 

それと関連して、今度はファッションの話。

 

あなたは最近若い人の間でファストファッションよりももっと安価なファッション通販が流行ってるの、知ってますか?

 

ちょっと前なら↓このsheinが勢力伸ばしてました。

 

そして、最近は日本の若い人でもtemuのアプリのダウンロードが増えてます。

 

temuの通販サイトの画像がこちら↓。

 

sheinは「こんなデザインの服、どこで着る場面ある?」というようなデザインのものが多かったですが、temuはサイト見る限り結構まともなデザインです。こりゃ売れるだろうな。

 

ただ、↑このtemuの通販サイトで気になったのは、どの商品もだいたい数千個しか売れてないのに、↑この画像の左上の「女性向け体型矯正下着」が27000個も売れてることです。

 

↑この矯正下着のビフォーアフター、絶対にこうはなりませんよね。

 

でも、みんなは期待感を持ってこれを買ってしまうみたいで爆発的に売れてます。

 

ドラッカーのマネジメント理論では、「顧客に必要なもの(ニーズ)を売るのではなく、顧客が欲しがるもの(ウォンツ)を売った方がいい」というのは常識であり、いつも正しいです。

 

↑この矯正下着は顧客の誰一人として必要としてませんが、「矯正下着を欲しがるニッチな顧客層」にとっては漠然とした期待感から欲しいものではあるので、これ売ったら爆売れする仕組みです。

 

↑この仕組みは、冒頭のイマイチクリニックが繁盛する仕組みと似てます。

 

「このクリニックなら専門的病気を診てもらえる、あるいはサラリーマンでも夜間対応してもらえる」というニッチ層の漠然とした期待感(ウォンツ)で繁盛してるからです。

 

漠然とした期待感。それこそがほぼ全ての人が欲しがる(ウォンツ)生きるエネルギー↓です。

 

さて、前回のブログ↑でご紹介した通り、↓これらの三つのクリスマスソング(?)には、とある共通項があります。

 

 

これらの共通項は「あまりお金のない若い男女が寒空の下、貧相な部屋で寄り添い合う恋」という点です。

 

↑これらの歌はそれぞれ、中年者向け、若者向け、高齢者向けという違いはありますが、その共通項は同じです。

 

↑この共通項からわかることは、「あまりお金のない若い男女が寒空の下、貧相な部屋で寄り添い合う恋」が切ない魅力を持っているという感覚は世代を超えて共通だということ。

 

この「あまりお金のない若い男女が寒空の下、貧相な部屋で寄り添い合う恋」は、今回のブログに書いてきたニッチな幸せのことです。

 

世界を見渡せば、お金を持ってる男女なんかたくさんいるわけで、そういう人たちと比べてしまうとお金なくて寄り添い合う男女が幸せとは思えなくなりがちですが、寒空の下の貧相な部屋というお金ない男女にとっての唯一の安全地帯が設定されることで、ニッチさが演出されます。

 

今は情報が多すぎて他人と比べやすくなりすぎてミス日本みたいな広い汎用市場で一番にならないと幸せでないという観念が流行してますが、昔は村で一番の美人というニッチな市場で戦うことで幸せになれてました。

 

さて、もうすぐクリスマスとお正月です。

 

クリスマスやお正月を祝って行事を行うことは、非日常の日常への挿入です。

 

日常が広い汎用市場だとしたら、クリスマスやお正月の行事の非日常はニッチな市場です。

 

僕はもともと儀式が嫌いで、薬学部でも医学部でも卒業式を欠席したほどですが、最近はこのような非日常的な行事は大事なんじゃいかと思うようになってます。

 

非日常の行事をやることとはニッチな市場で戦うことと似ていて、また始まる日常に漠然とした期待感を持って「また頑張ろう」と思えるから。

 

日常で恋愛や仕事の戦いで勝つ幸せを得るのは難しいかもしれませんが、例えばクリスマス行事という非日常を祝う幸せは比較的簡単に得られると思います。

 

だから、あなたも今年のクリスマスは少しだけ奮発して、子供さんやお孫さんに無添加の良い材料のクリスマスチキンを買ってあげてね。

 

ニッチな市場では幸せをコスパよく得られますよ。