僕のストーリーは、この日から始まった。
本当に色々とあった。
2019年7月26日。僕の人生は全てが変わった。本当に全て。
ずっと元気だった。10万人に1人?違う。
普通の人と同じ健康な人だった。
何も悪い事なんかしてないのに突然目の前が真っ暗になった。たった1日で。
「そうか、僕は10万人に1人しか居ない不良品だったんだな。手術したって25%の確率で死ぬかもしれないんだ。」
なんかすごく悔しくて笑えてきた。
だって自分に原因なんか無かったんだもん。生まれ付きの難病なんだから。
ただひたすらに暴れた。ご飯を看護師さんに投げたり、点滴を抜いたりもした。
でも心は何もスッキリしなかったし、むしろ余計に辛くなるだけだった。
翌日、看護師さんに謝罪をすると
「患者さんあるあるだから大丈夫ですよー!」
と明るく話してくれて、その後も手術まで何日間も仲良く話してくれた。
僕はその時から少しづつ
消えていた心にまた光が戻っていたのを
感じていました。
【命を救われる側から救う側になりたい】
退院後は直ぐに芸能界に復帰は勿論出来ませんでしたし、収入も入院前の30分の1ぐらいまで減ってしまいましたが、ずっと可愛がってくれていた松本監督やchara監督の作品に少し出させて頂いたり、映像会社で音楽の編集や、ブログを書く事でどうにか毎日食い繋いで居ました。
それからポコチャと言うライブ配信に出会って、当時から支えてくれているファンの方や、そこから出会ったファンの方に支えて頂いたり、少しづつ芸能界にも復帰出来たりで、自叙伝を出したり、オリジナルソングを出したりと出来ました。
そして退院から約3年半。
自分なりに独学ですが脳神経外科の勉強をしたり、精神科の勉強をしたり、この三年の間に難病インフルエンサーと言う立場になってから沢山の医療従事者の方と触れ合い、勉強させて頂きました。
そしてようやく看護学校を受けられるまで貯金もたまりました!
僕、嫌だったんです。
勉強しながらセカセカになってアルバイトもして勉強もして両立ってなるのが。
ちゃんと学業に集中したくて。
だからしっかりと卒業までどんなアクシデントがあっても大丈夫な様に貯金をしてから入学をしたかったんです。
(こんな見た目だから絶対チャラそうに見られるんですけど、あくまで撮影だからですからね!*笑*)
1回目の入試日!!
この日は忘れもしない日だったな。
入試なんて高校入試以来だったんで、しかもその時はなんと言うか気持ち的に全力じゃなかったと言うか、本気では無かったんですよね。なんとなく高校に行かなきゃだし、みたいな感覚でした当時は。
でも今は違う。
確実に自分が行きたい場所だし、目標としている目的地がハッキリと見えている。
迷いはありませんでした。
入試会場の扉を開ける前までは自信もありました。
芸能界を20年やってきて、オーディションも数えきれないぐらい受けてきて、面接と言うのは正直慣れていると思っていたし、試験勉強もしてきました。
しかし、数分後には一瞬でその考えは打ち砕かれました。
当たり前ですが、芸能界のオーディションと一般業界の試験会場は全然違う。
凄いぐらいの【圧】を感じました。
オーディションとは全然違う圧。
しっかりと勉強をしてきた、そして面接でどういう受け答えをすれば良いのか、それを直前まで考えているであろう雰囲気が何というか圧になっていて。
試験会場では圧倒されましたね。
案の定、結果は不合格でした。
メンタル(精神)でも完全に負けてしまっていたし、なにより自分以上に周りの方達の努力や苦労を思い知った回で大反省しました。
それから約半月後、第二回目の試験がありました。試験の日にちも限られているし金額も決して安い金額では無いので今度こそ前回以上に全力で全力で全力でぶつかりたい!!!!
今回は自分の中でもかなり本気で頑張れた気がしました。
試験内容も手ごたえあり。
面接も思う存分、自分が言いたい事を言えた気がしました。
しかし帰り道は何故か涙を流しながら帰っていたのを覚えています。
それは面接官の先生に言われた一言。
面接官の先生は本当に受け答えが優しく温かい先生で話しやすかったんですが
「では面接の最後に、何か言いたい事はありますか?」
と面接官の先生に言われ、僕は嘘偽り無くその瞬間に思った事実を述べました。
『僕は多分、知識だけで言ったら今回の試験の中で1番バカかもしれません。でも、テストで100点とったって学校や病院をスグ辞める人だって居ます。僕は明日までしか生きられないって患者に未来を与えたくて看護師になりに来たんです!何百年だって学校通います!』
って本当に伝えました。
(今、冷静に文章にして読むと相当おバカな内容なんですが自分なりの本気でした)
するとニコニコした面接官の先生から
「じゃあ私からも一つそれにお返事して良いかしら。」
と言われたので、ハイ!と返事をして真剣に聞きました。
「今の貴方の考え方のままだと看護師にはなれないわね。もし貴方が自分の手術の時に、担当の看護師さんが【私この病院で1番バカですが貴方の手術の担当します】なんて言ったら、どう思いますか?」
僕は、ハッ!と一瞬で何も言い返せなくなってしまいました。
そうだよな…。
ウチら【命】預かってるんだよな。
その後も沢山、先生はアドバイスをくれました。僕は本当に感謝したし、勉強になった。
そして
【この学校が良い!!】
【あの先生に学びたい!!】
と思えた瞬間でもあった。
そして数日後。
結果発表。
不合格。
やはり人生はそんなに甘く無い。
でもこんな事で落ち込んでたら、看護学校に行った時にはもっと落ち込む事なんて沢山ある!!上等だ!!
まだまだやってやるぜ!!!
嘘だ。
落ち込んでた。
今回はフルスロットルだった。
撮影や配信が終わった後も直ぐに勉強をして面接の受け答えなんかも色々とみて勉強してみた。今回は本当に辛かった。芸能をやって20年。オーディションでも落ちるなんて経験、最近ではあまり無くなってたからかな、本当に辛かった。
僕が何処かで甘くみてしまっていたのかな。人から見たらたかだか2回試験に落ちただけなんだけど退院して3年半かけた夢の1つだったから、凄い落ち込んでた。
そして自分の小ささ、浅はかさを知った。
最後の試験があった。
勿論受ける!でも精神的には凄く不安はあった。でもやり遂げたかった。
試験自体は前回の方が良かった気がした。
今回は少し手ごたえが無くて、やはり精神的に落ち込んでいたのか内心ハラハラしていた。
そして面接。
また前回と同じ場所に呼ばれて、
ニコニコして話を聞いてくれた。
「あなたが伝えたい事は何ですか?」
『少し時間を頂いて良いですか?』
僕は確かに不合格にはなってしまったけど、前回先生に言われて嬉しかった事と何故ここに戻って来たか、そして改めて先生の目の前で感謝を伝えたかった。
『〜で、以前僕が自分をバカと言ってしまった時に先生がそう発言してくれた事が本当に胸に刺さって僕は確信したんです。この学校が良い!この先生から学びたい!って!だから先生!よろしくお願いします!!!』
僕は先生の目の前で今にも泣き出しそうに泣きながらも、本気で気持ちを伝えた。
そして先生もニコニコしながら、ゆっくりとその口を開いてくれた。
「はい。真剣に気持ちを伝えてくれてありがとうね。でもね、それ多分私じゃないわね。◯◯先生だと思うわ。」
『っ?!』
僕はパニックになりながら大焦りでしたが、先生は少し笑いながら
「あとね、間瀬くん。貴方、願書を書く時のアドバイスなんですけど学校に【◯◯さん】付けは要りませんからね?」
『え!?いや怒らせちゃったらまずいかなと思ったんです。』
「学校は怒りません。あと願書は基本的に【、】か【。】を使うのよ?貴方のはビックリマークが付いてたわよ。しかも五つも。私がビックリしたわ。」
先生は僕のミスも明るく優しく教えてくれた。未だにこの瞬間を思い出すと僕は泣ける。
「そして最後にね。なんで願書の最後にも名前があるんですか?最初にも名前はあるでしょ?凄く自己紹介するじゃないの。」
『覚えて貰いたかったんです。』
「一度で覚えます。」
文章で見ると先生は怒ってる様に感じるかもしれませんが、凄くニコニコされていて僕は大好きな先生でした。
そんなこんなで三度目の試験と面接も終わった。そして改めて思った事。
【やっぱりあの学校が良い!!】
僕の消えかけた心の火がまた燃えた!!
医療と言うのは人の魂すらも治す!!!
そして数日後、学校から手紙が…。
補欠合格!!!!
よぉっしゃぁぁぁあああ!!!!
(補欠合格と言うのは実質上、合格では無いんですが、誰か合格者が自分から降りた場合などに繰り上げ合格になる事を補欠合格と言います。)
もし合格になった場合は◯月◯日◯時にお電話します。と手紙に書いてありました。
そして何とその日は映画の撮影日。
午前中に終わる撮影だから大丈夫だとは思うけど、撮影って押して時間が伸びたりするからドキドキでした。
【そして当日。】
案の定、
撮影は約3時間ぐらい伸びて終了。
約束の時間まであと30分!!
いざ衣装から着替えて携帯を見てみると、
留守番電話が…。
しかも1時間前?!
ん?時間は合っていたハズ!!
ドキドキが止まらない。
吐きそうだった。
留守番電話を聞いてみると、また掛け直すとの事。
でも受かるにせよ、落ちるにせよ、待ってるよりは自分から挑みたい!!
仮に斬られるなら自分から斬られる方がまだマシだろうと思い、涙ながらにコール。
「はい。◯◯学校の◯◯です。」
(あ!!あの時の!!僕が大好きな先生だ)
3回目の面接で沢山アドバイスをくれた先生が電話の担当でした!
『あの、電話貰ったんで折り返したんですけど…』
「お名前をお聞きしても宜しいですか?」
『はい。間瀬しょ…』
「あ!間瀬くん?!結果発表よね!!」
『っ?!』
フルネームを言い切るまでに反応してくれて、先生も僕を覚えてくれてたんだなって嬉しかった。
「学校ね。無事に合格です!」
『えっ?!?!?!マヂですか?!』
あまりに嬉しくて何回も大きい声で喜んでしまいました!
その後も先生が入学式の書類の事や入学金の事を説明してくれて、僕が間違わない用に電話を切る時も
「ちゃんと覚えられたか、もう一度言ってごらん。」
と言ってくれました。
なんか僕はそういう愛情って、昔から好きなんですよね。
そういう大人だけは絶対に裏切りたくないし、大切にしたいって心から思えるんです。優しいなぁって。
と言う事で、長くなってしまいましたが。
何が言いたいかと言うと!
間瀬翔太!
無事に看護学校を
三度目で合格しました!!!!
人間、不可能なんか絶対にない!!
ただの不良少年とよばれた少年時代、
芸能人なんて絶対になれないと言われた。
でも叶えられた。勿論自分1人のチカラでは無い。でも夢は叶う。
そして20年間芸能界に居た人間がいきなり看護師なんて舐めてんのかとも言われた。面接のやり方を知らなさすぎたり、礼儀を知らなさすぎて、ライブ配信でファンと言い合ったり、親友とも現実で泣きながら喧嘩した事もあった。でもしっかり夢は叶った。そして改めて今思う事!ファンや親友が教えてくれなかったら、もっと時間が掛かってたハズ。
ありがとう。そしてごめんね。
退院してからも僕が長風呂してると、てんかん起こして死んだんぢゃないかって走ってドア開けにきてくれたり、夏は毎年【熱中症】起こさないように麦茶2Lの買ってくれたり、貴方がもし倒れたり怪我する様な事があったら安心してくれ。世界一の看護師が走って部屋のドア開けて助けに行くから。
入学祝。サンキュー。
次は卒業祝だね!
必ず達成するね!
愛してる。