ドミノ「使い」倒し | 浮浪人間への道 = Road to Groningen!

今の会社に就職して1年経った。

 

転職ではあるが基本となる職種としては変わっていない。

ざっくり言って「木工屋」だ。

 

この一年を振り返ると、毎日が激務だった。

それは今も変わらない。

 

昨夏は工場外での環境が多かったから厳しかった。

猛暑で死ぬかもしれなかったが、3Lの水筒を携えてなんとか耐えた。

上司からの罵声、叱責も多く、精神的にも参った。

辞めたいと思うことは頻繁にあった。

 

それでも、なんとかなった。

色々なことに慣れてきた。

今では既製品の高級家具も経験させてもらえるようになった。

 

1台50万円で販売するものを40台まとめて作ったりしている。

そのクラスの仕事を各人か複数人でこなしている。

そうすることで会社は利益を上げている、至極真っ当。

逆にいうと、これまでの会社は真っ当な会社ではなかった。

 

利益を上げるために残業、土曜出勤、時間外雑用もある。

拘束時間は長い。

それでも、今の会社に入って良かったと思っている。

以前勤務した会社より2倍額の給料を得ているし、ボーナスも出る。

 

もちろん、いつかこの会社を辞める日のことを想定している。

だから、方向性を見据えて今の舵取りを進めなくてはいけない。

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ここからは余談。

 

木工やっている人にはわかってもらえると思う。

ドイツの電動工具メーカーに「Festool」がある。

精度は言うに及ばず、当然高級だ。

最も感心するのは「集塵性の良さ」だ。

 

車でいうなら「メルセデス」のような存在だとも言える。

 

このメーカーが専売特許を持っているものがある。

「ドミノ(domino)」だ。

ドミノとは簡単に言えば「雇いホゾ」機。

 

接合する2材両方に長円の雇いほぞ穴を開け、専用のオスチップが「ほぞ」の代わりとなる。

これまでの伝統的な「ホゾ組み」を簡単に実現するものだ。

 

以前の2社では機械加工で伝統的なホゾ組をしてきた。

だが、機械の精度が悪いため必ず捻れる。

それを補う、または修正するのに多大なる時間を費やした。

今の会社ではあり得ないことだ。

 

そこで時間をかけてはいけない。

だから、ドミノを活用すべきだったのだ。

もう10年以上前から当時のボスたちにドミノを導入して欲しいと願い出たが、却下された。

理由は高価だから、これまでのホゾ組でいいだろうと。

 

ドミノへの想いを引きずって今に至る。

 

今の会社は「ドミノ」を使い倒している。

大小2種類ある機械を複数台持っている。

 

今回の担当業務で初めてドミノ加工を担当させてもらっている。

一つの憧れを現実のものにした。

三日間使い倒して1500穴を突いた。

まだ終わりはない。

 

ラメロに似た外観をしている。

ラメロとは「ビスケットジョインタ」だ。

特許を放出したのか各社が機械を提供しているが元々はスイスのラメロ社のもの。

ちなみに、会社ではラメロ社のものを使っている。

 

ラメロを昇華させるとドミノを産むことになる。

チップが太く頑丈になったものがドミノとも言える。

 

似た機械だが違いはある。

 

ラメロは重量がそれほど重たくないが、ドミノはどっしりと重たい。

半日で腱鞘炎になる。

うまく持たないで済むようにしないと手や背中の筋肉がやられる。

 

 

(写真はメーカーの提供するものを転載)

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電動工具は自分持ちの会社であるから、それらを使う頻度が高いものから導入しつつある。

 

トリマはじきに5台持ちとなる。

先輩方はルーターですら当然のように5台持っている。

必要があって、その数を所有している。

 

ドミノのような高価なものは会社所有で、皆で共有する。

 

複数台持つということは、例えば「ビットを交換する時間が仕事に影響する」ことを意味している。

それだけ、時間に追われて仕事をするのが本来なのだ。

 

「稼げなければ食えない」のは当たり前のこと。

「高単価の仕事をなる早」で終えることが「稼ぐ」ということ。

 

色々思うことはあるが、所変われば学ぶことも変わる。

日々勉強することばかりだ。