昼飯を誘おうとしたら既に外勤になってる
松本に夜また誘うかと。
じゃあおれも外回りに行くか。
会社を出て駅前の立ち食いそばで昼を済ませ
得意先へと向かった。
夕方に会社に戻ると松本はまだ帰ってなくて
少し残業をしていたが戻って来なかった。
さてと、
おれも帰るかな。
久しぶりに大野の店に行くか。
「空いてる?」
暖簾をくぐり横開きの戸を開けると
カウンターには松本の姿。
「なんだよ、来てたのかよ。」
そう言って隣に座ると松本は無言で立ち上がり
すっと戸を開けて帰ってしまった。
「え、なに?どうしたんだよ。」
戸惑うおれを見て大野はひと言
「おまえは昔から鈍かったからな。」
つづく…