共同探索ゾンビレトリーバルNO5 | ヘミシンクピンポンパン

ヘミシンクピンポンパン

ヘミシンクと幽体離脱体験記

位置だけでなく、棺が運び込まれる

順番も決まっていた。

そして多角形のピラミッドの各面や辺は、

治まるべき棺の大まかなカテゴリーを

現していた。

(続く)






―――――――――――――――――――

なにか近くで、今まで動いていたものが

とぎれたような気がして、私はふと

そちらの方を見てみた。


ゾンビ達が横たわっている棺の

ピラミッドの中腹辺りに私はいたが、

下の方で、棺を担いでいた動物たちの

行進が止まり、行列が途切れていた。


終わったのだろうか!

棺の運搬は、果てしもなく続いていく

ように思われたが、私は入り口を見た。


そこは、光の柱が気高くそびえる

峡谷のように開いたところで、

動物たちの行進はそこを通って

やってきた。

峡谷の向こうには星がいっぱい

輝いていた。


マイケルもそれを見ていた。

やっと一息ついたといった感じで

         「これで…‥終わりか…な?」

と私の方を見てつぶやいた…

というよりマイケルは何故か私に

訊いているようなのだ。

「???さぁ」


私はここにゾンビを引っ張って

きたのだろうか。

今回の共同探索は全ての人間の

ゾンビを月に導くという役目

だったのかもしれない。


          「まだしばらく時間があるけど」

          「あと数時間だからね」

「数時間…?」

          「満月の終わりまでね」

「そんなにきっちりさせる

ものなのですか」

          「一応はね」

          「段取りだよ」

          「今日の満月で死者の復活は終しまい」

          「人間はまた、ここからやり直せるよ」

          「新しくスタートできる」

          「そうしたい人はね」


これはこれまで生きてきた全ての時代の、

全ての人類がゾンビとなって蘇り、浄化と

昇華が、この満月の日に完了するという

意味だった。


そして肉体を脱ぎ捨て、カルマを

昇華させた人々は、ここから

新しくスタートするというのだ。


「スタートしない人は

どうなるのですか」

         「またいつか何処かで

死んで屍となって眠るんだ」

「眠り続けて悪夢を見るんだよ」

         「戦争や病気や出世や成功や

転落の悪夢を見るのさ」


これは我々のマトリクス現実のことだ。

プレアデス意識を反映させる物質文明が、

これからも繰り返されることを

マイケルは言っていた。


ふと見ると、峡谷の入り口を通って

また棺が一つ入ってきた。

それは小さなドブネズミのような、

あまり清潔ではない動物たちが

一所懸命に運んでいた。


の棺は、他と違い奇妙に黒くて

重々しく、蓋には鉤十字の印が

入っていた。


         「あれはヒトラーだな」

とマイケルがつぶやく。

その後ろに続々と鉤十字やダビデの星の

印をつけた棺が入ってきた。

         「ナチスの関係者だよ」


その後ろにさらに、動物ではない

気味の悪い、虫の集団がやってきた。

人間より大きなムカデやだんご虫が、

黒くどす汚れた棺を背中に乗せて

這いずっていた。


       「やばい連中が一番、最後に来たな」

マイケルは、この虫のグループをピラミッドの

手前で迂回させると、その奥に開いている

暗いトンネルへと導いた。


棺はこの中で、せわしなくごちゃごちゃと

蠢く、気味の悪い醜怪な虫に引き渡されると

闇の奥へと運ばれていった。

これ等の棺は、闇に吸い込まれる前に

何故か、どんどん小さくなっていった。


ヒトラーやナチスより、やばいという

のは一体どういう連中だろう。


          「ゾンビ達が怒っているんだよ」

          「こいつらと一緒にするなってね」

          「あと2時間だな」


私は目を開け、時計を見て驚いた!

もう10時になろうとしていた。

ワークが始まってから、40分近く

経っている。


クリックアウトも多かったが、

気分的には20分程にしか感じていなかった。

あと2時間で満月の18日は終わる。


          「じゃ~~ねぇ」

          「もうひと仕事するよ」

「ありがとう」


光の柱は、この満月の日に集まった

全ての時代の、全てのゾンビを

引き上げようとしていた。


最後までお付き合いいただきありがとうございます。

マサト









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