DAY 10: 注目の若手女優ケイトリン・デヴァーの魅力 | Just for a Day: 小林真里ブログ

Just for a Day: 小林真里ブログ

映画監督/映画評論家 小林真里(Masato Kobayashi)です

アメリカの若手女優で昨年から注目しているのが、

Netflix「アンビリーバブル」や、オリヴィア・ワイルドが

監督した青春コメディ『Booksmart』で主演を務めた

ケイトリン・デヴァー

 

 

現在23歳の彼女ですが、若い頃から

女優として活躍しており、身長は157センチと小柄。

小粒な瞳ながら、存在感は抜群で、

愛らしく、演技力も実力も文句なし。

 

最近はティモシー・シャラメ主演の『ビューティフル・ボーイ』や

ヒュー・ジャックマンと共演した『フロント・ランナー』

で助演として華を添えていました。

 

去年、サンダンス映画祭でお披露目になった後、

アメリカで公開された

『穢れと祈り』(Them That Follow)は、

アパラチアの大自然に囲まれた田舎に住む、

怪しげなコミュニティのカルト的な教団を巡る

サスペンスフルなドラマ。

 

 

ジェニファー・ローレンス主演『ウィンターズ・ボーン』に

題材的にも、ダークでクリーピーな雰囲気も似ており、

なかなか悪くないのですが、それほどヘヴィでもなく。

ストーリーは多少緊迫感はあるものの、残念ながら

わりとシンプルでひねりがなく、ドラマに深みもない。

ラストはやや拍子抜けというか。

 

最終的には、アリス・イングラート演じる主人公の

共同体のリーダー的な神父を巡る家族の葛藤であり、

ラヴストーリーなのですが。

 

この作品で、ケイトリン・デヴァーは助演

(孤独なホワイトトラッシュの女の子役)を

務めているのですが、彼女が主演でも

良かったような気もしました。

 

オリヴィア・コールマンやウォルトン・ゴギンスなど

そこそこ豪華なキャストです。

 

もう一本、2017年に全米で公開された

『All Summers End』で、ケイトリン・デヴァーは

タイ・シェイダン(『ダーク・フェニックス』

『レディ・プレイヤー・ワン』)とともに主演を務めています。

 

 

小さな田舎町に住む、主人公二人の一夏の

初々しい初恋を軸にしつつも、

隠されたヘヴィな秘密が二人の関係に迫る・・・。

 

という、一見爽やかな青春ラヴストーリーを

序盤からぶち壊しにかかるこの設定は、

天邪鬼に意外性を追求した結果かもしれませんが、

明らかに間違った変化球。

暗く、後ろめたい青春映画に昇華されています。

 

主演二人、特にデヴァーのパワフルかつ繊細な

幅広い表現力が光る作品で、見どころはありますが。

 

仲良しでもあるクロエ・グレース・モレッツとは1歳違いで、

同じく子役出身のケイトリン・デヴァーですが、

今後のさらなる躍進が楽しみです。

 

このジェネレーションでは、他にも

キャスリン・ニュートン(「ソサエティー」)、

ゾーイ・ドゥイッチ(ゾンビランド2)、

キーナン・シプカ(サブリナ)にも注目です。