【Bunnmei の一言】

 

イスラエルでは基本的に国民皆兵が導入されていますが、フルタイムで宗教を学ぶ超正統派の男性は、建国初期から続く政策に基づき、多数が免除されてきました。

 

超正統派ユダヤ教徒の生活は非常に厳格な宗教的な生活を送ることが特徴で、男性は主に宗教の教義を学ぶことに一生を捧げることが求められています。そのため、就労していない男性が多く、代わりに女性(妻)が就労して家計を支えることが一般的です。その流れで「徴兵免除」となっていますし、国からの補助も出ます。。

 

しかし、この徴兵免除については、ハマスとのし烈な戦争もあってイスラエル国内の一般国民からは不満の声が上がっています。また、イスラエル最高裁は、超正統派ユダヤ教徒の徴兵を義務化すべきだとする判決を下しました。これに対して、超正統派ユダヤ教徒やそれを支持する政党からは反発が出ています。

 

また、このような流れは、そもそも国内に住むイスラエル人たちの間にある二つの「国家」の対立を加速しそうです。

日本や米国などでは当然のように、宗教は私事であり、宗教に対して特権を与えることは出来ません。他方では、イスラム革命後のホメイニ体制や、イスラエルのようにユダヤ教の強力な宗教的派閥が存在し、彼らはユダヤ教の教義に基づく国家運営を支持しています。これには、宗教的な法律(ハラハ)に基づく生活や国家政策が含まれます。そして、ユダヤ教人が国家の保護と利益を受けています。

イスラエルは、このように一部のパレスチナ人ばかりではなく、さらに特権的ユダヤ人と世俗的市民のイスラエル人が存在することになります。その対立は深まっています。

 

 極右ユダヤ人は去年の十月以降、イスラエル政府内の主導権をとってきた極右勢力のガザの殺戮や、それによるイスラエルの孤立や近隣諸国との敵対で戦時経済に陥ったことなど、新たな矛盾を生み出しました。この、対立は現在のイスラエルで最も深刻な闘いとなっています。

 今回の最高裁判決に、イスラエル世俗的市民たちは拍手し、極右勢力は怒りを感じているに違いありません。孤立し追い込まれつつ極右シオニスト政権は、一層暴力的な行動に出る可能性があります。そもそもこのような神権国家イスラエルの内在的変革が必要です。

イスラエル国内の矛盾 徴兵免除「超正統派ユダヤ教徒」を擁護する政府に 予備役らの不満高まる | ワーカーズ ブログ

(了)

 

ユダヤ教超正統派徴兵すべき、イスラエル最高裁 首相に打撃

 (msn.com)

 

6月25日、イスラエルの最高裁判所は現在、徴兵を免除しているユダヤ教超正統派の学生も徴兵しなければならないという判断を下した。写真は3月、徴兵免除の手続きをしにイスラエル・キリヤットオノの徴兵事務所を訪れた超正統派ユダヤ教徒ら(2024年 ロイター/Hannah McKay)

6月25日、イスラエルの最高裁判所は現在、徴兵を免除しているユダヤ教超正統派の学生も徴兵しなければならないという判断を下した。写真は3月、徴兵免除の手続きをしにイスラエル・キリヤットオノの徴兵事務所を訪れた超正統派ユダヤ教徒ら(2024年 ロイター/Hannah McKay)© Thomson Reuters

 

[エルサレム 25日 ロイター] - イスラエルの最高裁判所は25日、現在、徴兵を免除しているユダヤ教超正統派の学生も徴兵しなければならないという判断を下した。連立政権存続で超正統派2政党を頼みとするネタニヤフ首相に打撃となる。

イスラム組織ハマスとの戦闘が長期化するにつれ、ユダヤ教超正統派学生の徴兵免除が問題視されるようになった。

最高裁は全員一致の判決で「厳しい戦争のさなか、不平等の負担はかつてないほど深刻」と指摘した。