沖縄平和運動と自衛隊-問われる「オール沖縄」

 - アリの一言  (goo.ne.jp)

ワーカーズの直のブログ (ameblo.jp)より転載

 

 

  

 

 岸田政権・防衛省が強行しようとしている沖縄うるま市の陸上自衛隊訓練場問題で、「地元の反対意見は自衛隊容認の玉城デニー知事に影響を与えるのか、その動向にも注目が集まる」(12日付沖縄タイムス)と書きましたが(14日のブログ)、問われているのは玉城知事だけではありません。

 

自衛隊増強 対応示せず オール沖縄 新機軸模索

 こんな見出しの記事が沖縄タイムス(1月23日付)に掲載されました(写真右)。

 

「辺野古の新基地建設阻止を掲げるオール沖縄勢力内で、新たな基軸に南西諸島の自衛隊配備強化の是非を加える動きが出ている。辺野古反対の一点で結集した現状の運動方針では自衛隊の増強に対抗できないとの懸念が勢力内から上がっているためだ」(1月23日付沖縄タイムス)

 

 この「懸念」は当然です。

 

 自民党政府は2013年12月の「防衛計画の大綱」で「島しょ部への(部隊)整備」を盛り込んだのに続き、15年4月の「日米防衛協力の指針(ガイドライン)」で「自衛隊及び米軍は…陸、海、空又は水陸両用部隊を用いて共同作戦を実施する」と明記。同年9月に「安保法制(戦争法)」を強行しました。

 

 翌16年3月には自衛隊発足以来初の先島諸島配備となった与那国駐屯地が開設。17年10月に宮古島駐屯地の着工強行。石垣島では中山義隆市長の下で自衛隊のミサイル基地化が進行しています。

 

 そして「安保(戦争)3文書」の閣議決定(22年12月)以降、先島諸島だけでなく那覇空港はじめ沖縄「本島」でも「軍民共用化」が進み、「土地規制法」(21年6月施行)で沖縄全島が監視下におかれ、自衛隊と米軍の基地拡大・共同使用が広がっています。うるま市の陸自訓練場問題はその一端です。

 

 こうした中で「オール沖縄会議」は、「23年8月に組織検討委員会を立ち上げ、自衛隊問題に対応できる新たな結集理念の協議を開始」しました(前掲沖縄タイムス)。しかし、「組織や構成員で意見は割れた。…「保革を問わず結集するためにも変更すべきでない」と否定の声」があるのです(同)。

 

 これは「オール沖縄」発足(2013年)当初からの隘路です。「辺野古新基地反対の1点で保革結集」として結成された「オール沖縄」は、日米安保条約・自衛隊を支持・賛美する翁長雄志氏、そして玉城デニー氏を知事に担いできました。

 それは、自衛隊基地増強阻止、米軍基地撤去、日米軍事同盟(安保条約)廃棄の世論・運動の大きな停滞を招くことになりました。

 

「台湾有事」を口実に自衛隊が米軍と一体となって米戦略に従い、沖縄が戦場になる危険が目前に迫っているいま、その停滞はもはや許されません。

 14日にも木原稔防衛相はエマニュエル駐日米国大使と会談し、自衛隊と米軍の一体化強化を確認しました(写真左=防衛省HP)。

 

 「オール沖縄」は「自衛隊増強反対」を「運動方針」に明記すべきです。

 それができないなら、「オール沖縄」とは別に、「自衛隊増強反対」を正面に掲げる運動体を新たに組織すべきです。

 沖縄の、否、日本の平和運動が問われています