File26:Target ウィリアム王子 | ソクラテス純情派<格言にrealityを>

ソクラテス純情派<格言にrealityを>

ー現代の著名人やニュースな人々に「善く生きる」という観点から、由緒正しい様々な格言等を引用し、独断的なコメントで自己満足を図る

ソクラテス純情派<格言にrealityを> プロフィール:1982年、チャールズ皇太子とダイアナ妃の長男として生まれる。英国の王位継承順位第2位。1997年15歳の時、母親を交通事故 で失う。その後名門イートン校で学び、スコットランドのセント・アンドルーズ大学に入学、美術史と地理学を学ぶ。入学前のギャップイヤー には、アフリカ諸国を訪問したり、チリでボランティア活動を行い、若者のモデルとなる。その後陸軍士官学校に入学。2006年、少尉として近衛騎兵隊に入隊。今年11月16日、ケイト・ミドルトンさんとの結婚を発表。


Message-「nobless oblige (ノブレス・オブラージュ)」 by ファニー・ケンブル (1809~1893)
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 「高貴なる者の社会的義務」とでも訳そうか。私の好きな言葉だ。基本的には自負・自尊であるが、貴族に自発的な無私の行動を促す社会心理でもある。 

 古代ローマでは戦争があれば、貴族が率先して戦い、公共の利益のためには、貴重な財産を快く社会に提供する者も多かった。階級社会が残るイギリスでは、第1次世界大戦で多くの貴族子弟が戦死し、フォークランド紛争にも王族が従軍している。そしてこの精神は、日本の武士道にも大いに通じるものがる。

 

 だが日本の現状はどうだろう。「支持率が1%になっても辞めない」という、民主主義の基本が理解できていない総理大臣。「なんでオレが」と本人も驚く入閣の果てに、結局更迭された法務大臣。反日活動家の国家公安委員長。自らの利益のために国策を歪める官僚達。世界史におけるイギリスの罪は決して小さくないが、ノブレス・オブラージュの精神から学ぶ事は多い。

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 英国留学時、ダイアナ妃の死から5年たっていたが、それでもその国民的な人気をいたるところで感じた。彼女の長男ウィリアムもまた同様に国民から愛され、スキャンダル続きだったチャールズ皇太子を飛ばしてウィリアムに王位を継がせようという世論も、いまだに根強い。

 またウィリアム王子同様に、英国の学生の3割前後は、大学入学前の1年間、ボランティア、世界放浪、アルバイトなどをして社会経験を積む。これをギャップイヤーという。自分を見つめ直し、チャレンジする時だ。その成果は大学の授業を見れば一目瞭然だ。プレゼンテーションと質疑応答は毎回ヒートアップし、予習しないと授業に参加できない。大いに遊び、大いに学ぶ。ギャップイヤーは彼らの大きな学習の動機付けとなっている。


 ノブレス・オブラージュの私の解釈は、人間は生まれつき平等とは言えないが、それぞれ平等に社会的使命がある、ということだ。政治家にも、学生にも、海上保安官にも、歌舞伎役者にも。

 そしてそれを自覚した時、誰もがノブレスな魂を持つことができるのではないだろうか。