F1 2026年からのPUレギュレーション | masashik0305のブログ

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ジャンルを問わず、思い付いた事、気になった事を書いていきたいと思います。

とは言え、自作PC関係の話やF1関係の話、ドラマの話なんかがメインになると思いますが。

 

待ちに待った鈴鹿での日本GPも何とか規定の半分と少しの距離を走り切り、FIAの忖度?も有ってフェルスタッペンが昨年に続いてドライバーズチャンピオンとなり。無事閉幕しました。

 

ポイントが減算かるのは「中断した場合」となっているから、再開した場合はフルポイントという解釈な訳ですが、レギュレーションが改訂された理由は昨年のベルギーGPで僅か2,3周しか走っていないのにハーフポイントが付与された為で、ポイントは走行距離に応じて配分されるべきという考えが背景にあります。

 

と考えると、シーズンの序盤であったり、タイトル争いがもっと熾烈だった場合、今回と同じ解釈が為されるかというと、かなり疑問です。

そのあたりはシーズンオフにレギュレーションが改訂され、クリアになる事でしょう。

 

日本GPは終わりましたが、レッドブル首脳は日本に残り、ホンダと2026年以降について協議している模様です。

 

2026年よりPUのレギュレーションが改訂され、MGU-Hが廃止され、MGU-Kのみとなります。市販のハイブリッド的に言うと、2モーターハイブリッドから1モーターハイブリッドになる訳です。

 

その代わり、MGU-Kの最大出力が現行の120kWから350kWに引き上げられます。

また、燃料も現行のE10からE100になります。100%持続可能燃料と言われていますが、バイオエタノールでしょう。

バイオであろうとエタノールはエタノールですから、下図のような特性だと思われます。

 

単純に言うと、ストイキで燃やすには、これまでの1.57倍の燃料を1度に吹かねばならず、それでやっとこれまでの出力の64%という事です。

部材への攻撃性などガソリンとはかなり違うようですが、ホンダはインディで現在進行形でエタノール100%を経験中です。

 

そして、燃料搭載量も現在の105kgから70~80kgを目指すのだそうです。

これまでの半分以下の総発熱量で1レースを走り切らないといけない訳ですが、その差はMGU-Kに埋めさせろ、という事なのでしょう。

 

その他現行との違いと言うか、出来なくなる事を挙げてみると、

1) MGU-Hを電動ターボのように使うことが出来なくなる

 → ターボラグの問題が再発する

 

ターボラグ補填の為にターボが効き始めるまでMGU-Kでアシストし、効き始めた頃に違和感なくアシストを落とすといった制御が必要になりそうです。

 

2) MGU-Hでの回生している排気エネルギーを使えなくなる

 → MGU-Kだけでエネルギーを回生する必要があり、現在でも

  起きているデプロイ切れが頻発する恐れがある

 

現在のMGU-Kの最高出力は120kW=161馬力で1周あたりに蓄えられるエネルギー量は最大2MJで、上限値まで回生するためには理論上、約16.7秒の減速時間が必要と言われていました。

大きな出力を実現するにはそれだけ多くの電気エネルギーが必要な訳で、出力と必要回生量が比例する訳では無いと思いますが、出力350kWなら回生量も3倍の6MJくらいは必要になりそうです。とすると、フル蓄電には1周50秒くらいブレーキを踏んでいないといけない事になります。

 

まあ、そんな事は無いんでしょうけど、2026年PUの鍵はエレクトロニクス、加えてエレクトロニクスとICEとの協調制御という気がします。

 

その辺りの協調制御の知見はトヨタの独壇場という気がします。

e:HEVから発電用モーターを外したようなものと考えれば、ホンダもそこそこ知見がありそうです。

BEVとマイルドハイブリッドしか持っていない欧州メーカーはどうなんでしょうね?

 

レッドブルは、ICEはRBPT(レッドブルパワートレインズ)、エレクトロニクスはホンダと「タスクを分担」といった報道もありますが、果たしてそれで上手く行くのかちょっと疑問ですね。

 

追記)

MGU-Hが廃止される理由は、技術的難易度が高く、市販車への利点も少ない為、新規参入障壁になるためと言われていますが、市販車への利点も少ないという点については???です。

 

現在のICEの熱効率は40%くらいで、残りの60%は熱として捨てています。これを回収する手段としてMGU-Hは非常に重要だと思います。

技術的難易度が高いのは、制御が高度過ぎる為で、

・ブーストが上がるまでは電動ターボとして使う

・ブーストが上がりった後は回生に徹する

といった単純な使い方であれば、難易度は格段に低くなるように思います。

これだけで、捨てているエネルギーの何割かは回収出来るのですから、市販車にも有効活用できると思うのですが。

今後も内燃機関が残るのであれば、ですけど。