今日、日本時間では明日の午前3時ですが、カナダGPが開幕します。
バクーでは色んなチームの車がバウンシングしまくっており、ハミルトンが腰の辺りに手を当てていたり、ラッセルやガスリーも健康被害への影響を口にするなど、対応をFIAに求めるという話になっていました。
レッドブルのクリスチァン・ホーナーは、跳ねなくする方法は分かっているのだから、チームとドライバーがパフォーマンスを取るか健康を取るかの問題で、一律車高を上げるといった規定は不公平と言っていました。
本来、レッドブルよりの立場であるはずのガスリーがレギュレーションが必要とまで言わないまでも、レギュレーション変更を後押しするかのような健康被害に言及したのは、ペレスが2年契約を結び、2024年のレッドブル昇格の可能性が事実上消えた事によるレッドブルとの決別のサインのようにも感じます。
さて、バクーのバウンシングですが、メルセデスのチーフストラテジスト ジェームス・ボウルズは、あれはポーパシングでは無く、ポーパシングが改善し、車高を下げられるようになった事で、攻めた車高にしたところ、路面のバンプでフロアが底を打ち、飛び跳ねたバウンシングである、とコメントしていました。
更に、もうあそこまで攻めたセッティングにはしない、とも言っていましたので、FIAがレギュレーションを変えるまでも無く、起きなくなるはずでした。
ですが、あまりに騒ぎ過ぎたせいか、FIAが技術指令を出しました。
簡単に言うと、上下動についてセンサー等で監視し、健康被害が懸念されるような激しい上下動のマシンには車高を上げる等の対策を指示する、というものです。
対策を指示される可能性が一番高いのは、言うまでも無くメルセデスで、指示に従うとパフォーマンスが落ちるはずですから、墓穴を掘った事になります。
ジェームス・ボウルズは、騒ぎ過ぎるとこうなる事を予期していて、もうあそこまで攻めたセッティングにはしないと火消に走ったんだと思います。
ただ、この技術指令による対策がどのレースにまで及ぶのかどのニュースにも出ていないので、それ次第かなとも思います。
例えば、あるレースでバクーのように跳ね、そのチームに車高を上げろと言う指示が出たとして、次のレースがバルセロナのように跳ねないコースでも指示に従う必要があるのか?、という事です。
仮に、1レース限定だとすれば、跳ねるコースでもFP1から徐々に車高を下げていき、予選では対策を指示されないギリギリのセッティング、決勝では対策を指示されるレベルだが最高のパフォーマンスが出るセッティングにしてくる事が予想されます。
決勝でアウトになっても、次のレースではリセットされるのですから、決勝でどんなに攻めたセッティングにしても関係ありません。
ですので、1レース限定だとすれば、事実上今と何も変わらないように思います。
カナダGPは市街地サーキットで路面は平滑では無いと言われていますから、この技術指令の影響を受けるはずです。
対策を指示避けないまでも、跳ねる車でチャンピオンズ・ウォールの餌食ならずに済むのか、楽しみですね。
午前3時まで起きていられる自信はありませんが。