以前からシリル・アビデブールが主張していたルノーF1 PU最強説ですが、今度はチームのエンジン責任者を務めるレミ・タフィンが具体的な数値を挙げてコメントしたようです。
F1パワーユニット開発競争…ホンダが依然として頭一つ遅れている、とルノーのエンジン責任者
レミ・タフィンによると、PUの序列は、
1.フェラーリ
2.ルノー
3.メルセデス
4.ホンダ
で、1~3の差は5~10kW、1~4の差は15~20kW、単純計算ではメルセデスとホンダの差が10kWという事になります。
これ本当のところはどうなんですかね。
メルセデスの関係者がホンダに追い付かれたとかフェラーリの方が前に居るというコメントをする事はあっても、ルノーに抜かれたという話をした事は無いように思います。
ホンダはどうか? メルセデスのエンジン部門の責任者を務めるアンディ・コーウェルは、2019年シーズンのパワーユニット開発競争で最も大幅な性能向上を果たしたのはフェラーリではなくホンダだと考えている。
ホンダよりちょっとマシ程度だったルノーがメルセデスを抜いたのであれば、最も大幅な性能向上を果たしたのはルノーという事になると思うのですが、メルセデスはルノーなど相手にしていないかのようです。
実際にはルノーにも言及しているのに日本向けにホンダ関連の記事だけが配信されているのか、本当にルノーは眼中に無いのか何とも言えません。
ホンダは既にパワーでメルセデスを上回っている、とハミルトン…レッドブルを脅威とみなす(2019/08/03)
レッドブルF1のフェルスタッペン「ホンダはパワーの面でメルセデスにほぼ追いついた」(2019/12/14)
「メルセデスPUに追いつくのにこれほど時間がかかるとは」F1ボス、ライバルたちの苦戦に驚き(2020/01/22)
ルノーからホンダにスイッチしたレッドブルは2018ルノーより2019ホンダは強力と言い過ぎなくらい言っていましたが、2018ルノーと2019ルノーの違いを知るはずのマクラーレンは何も言っていません。
尤も、ドライバーが2人とも変わっているので、違いを体感できる人が居ません。
唯一2018年と2019年を知るのはザク・ブラウンとエンジニア達ですが、ザク・ブラウンに技術的に正しい判断が出来るとは思えませんし。
残るはエンジニア達ですが、特に何も語っていません。
そんなに良くなっているなら、話題にしても良さそうなものですが。
それでもしつこく、ルノーPU最強説を唱えているあたり、配信されている記事から世の中(とルノーの経営陣)の認識が、トップがフェラーリ、次いでメルセデス、僅差でホンダ、そしてルノー、になっているのを、どうにかして改めさせたい、という強い意思を感じます。
シャシーがカストマー(マクラーレン)よりプアな事は結果が証明してしまったので、これでPUも4社中4位なんて認識をルノーの経営陣に持たれるとチームの存続が危ういという危機感が半端無いのだろうと思います。
で、こんな事も言っています。
F1 | ルノー 「エンジンカスタマーを抱える利点はそれほど大きくない」
ホンダが言うには、実走データが2倍になると開発も促進されるという事ですから、これは2021年からマクラーレンがメルセデスにスイッチする事に対する強がりでしょうね。
でも、
「我々は自分たちのマシンにフィットしたパワーユニットを開発している。2つの開発を平行して行うことはできない」
なんて事を言うと、経営陣から、「マシンにフィットしたPUなのにマクラーレンより遅いのはどういう訳だ?」と突っ込まれて逆効果のような気がします。