現在、日本で(ストロング)ハイブリッドの代表的な仕組みと言えば、トヨタのTHS(Toyota Hybrid System) II、日産のe-Power、ホンダのi-MMD改めe:HEVの3つだと思います。
他にはそのシステムが殆ど話題に上がらない三菱アウトランダーPHEVがあります。
トヨタ THS II
動力分割に遊星歯車機構を用いるシリーズパラレル方式。
仕組みはこちらをどうぞ。
精緻可憐複雑怪奇? そのとき、THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)はどのように動いているのか
[ドライブトレイン]
エンジン+走行用モーター+発電用モーター+動力分割機構
日産 e-Power
エンジンを発電専用に使い、走行はモーターだけで行うシリーズ方式。
[ドライブトレイン]
エンジン+走行用モーター+発電用モーター
ホンダ e:HEV
通常走行時はe-Power方式、高速走行時はエンジンのみで走行するシリーズ+エンジン単独方式。
エンジンをモーターがアシストする事は無い模様。
[ドライブトレイン]
エンジン+走行用モーター+発電用モーター+エンジン直結機構
ちなみに、三菱アウトランダーPHEVはシリーズパラレル方式です。
では、それぞれ、どんなエンジン、どんなモーターを積んでいるのでしょう?
そういう視点で比較してみました。
メーカー間で比較し易いように、従来は2.0Lエンジン搭載が主流だったミニバンで表にしています。
こうしてみるとホンダの構成がとてもリッチなのが分かります。
元々、2.0Lエンジンを搭載していた車種に、そのまま2.0Lエンジンを載せ、走行用と発電用のモーター、更にエンジン直結走行用の機構を追加しているのです。
走行用モーターも最も強力です。
気になる点は、高速走行時の加速でしょうか。
例えば80kmで巡行している状態から120kmに加速するといった状況では、単なる2.0Lエンジン搭載の、それにしては相当重い車になってしまうので、ちょっと心配です。
エンジンが2.0Lなのは高速走行時にそれ以下だと厳しいという事でしょうか。
日産のように1.2Lだったとすれば、エンジン直結にした瞬間、速度が維持できず低下し始めそうです。
e-Powerと同等の仕組みであれば、インサイトの1.5Lエンジン+131ps/27.2kgf・mのモーターで十分な気がします。
高速走行時の加速の際、モーターがアシストする仕組みだったら完璧ですね。
それに対して、日産はエンジンがちょっとチープです。
仕組みも相対的には単純ですし。
燃費は一番良く、走行用モーターもトルクは一番ですが、ホンダと大差の無い価格でこちらは1.2L、あちらは2.0L、なんか損した気分です。
せめて1.5Lエンジンくらい積んで欲しい所ですね。
でも、その分、ホンダの何倍も利益が出そうな車です。
燃費は日産が一番ですが、ガソリンを消費するのはエンジンだけと考えると1.2Lと2.0Lで差があって当たり前、僅か5%程度で済んでいるという事はかなり高効率なのでは無いでしょうか。
1.8Lのヴォクシーより良い訳ですし。
私なら何か損した気分がしてしまうセレナも実際は凄く売れている訳で、上のような視点で比較する人は少ないという事でしょうか。