メキシコGPの最中ですが、トロロッソ・ホンダの最後のシートについて、
・最終戦の後に決定する
・最終戦の後にアレキサンダー・アルボンとの契約を発表する
など情報が錯綜しています。
アルボンは今年のF2で、一時トロロッソが熱望していたランド・ノリスよりポイント数(211 vs 197)でも勝利数(3勝 vs 2勝)で上回っており、248ポイント、5勝のジョージ・ラッセルに続いて2位に着けています。
「この走りが続くならばハートレーを放出する理由はない」という甘い言葉から僅か1戦で、ヘルムート・マルコから残留するには「ガスリーを倒す必要がある」というムチを貰ったブレンドン・ハートレーは「ここ数戦はガスリーを上回っている(から残留に相応しいはず)、様子を見てみよう」と反論していました。
これに対して、トロロッソのチーム代表であるフランツ・トストは「だが、結果は、彼は4ポイント、ガスリーは28ポイントだ」と更なるムチを振るっています。
残り3戦ですから、ポイントで並ぶにはガスリーが全戦でノーポイントで、ハートレーが3戦連続6位になる必要があります。
ところがトップ3が居ますので、アクシデントが無い限り、6位まで埋まってしまいます。
トップ・オブ・ザ・レストで7位、6ポイントですから、現実的にはポイントで並ぶことは不可能です。
何ポイントなら合格といった話は出ていませんが、残留条件に達成不可能な目標を挙げているのと変わりませんので、ハートレーの目は既に完全に消えていると考えて良さそうです。
そんな中で行われた昨日(本日未明)のメキシコGP予選ですが、ハートレーはQ3進出を逃してしまいました。
FP1 9位 1:19.024、FP2 6位 1:18.061で空力アップデートは自分に合っていると言っていたハートレーですが、FP3は16位 1:18.637と期待外れのタイムに終わり、Q1 10位 1:16.682(ガスリー 1:16.828)とやや盛り返したものの、Q2は1:17.184で14位に終わってしまいました。
普通に考えるとトラックコンディションが良くなっている分、Q1よりタイムが上がるはずですから、チーム全員Q3進出を期待していたと思います。
アタックラップでミスしてしまい、無線で「ミスした!みんなゴメン」と言っていましたが、こういうところがチーム首脳から信頼を得られていないところなのだと思います。
一応、Q1はガスリーより上位に居ますが、空力アップデートの有無という違いがありますので、実質的には殆ど差は無いと言えると思います。
空力アップデート装着は言及されていませんが、金曜にあれだけ絶賛していた空力アップデートを土曜に外す理由はありませんから、当然装着されていたと思います。
さて、メキシコGPは780hPaで平地より22%空気が薄い為、平地と同じパワーを出すにはいつもより1.28倍ほどターボによる加給を上げる必要があります。
タービンの回転数などの制限があるとは言え、タービンの回転数が高い時間がいつもより長い=より発熱する事は容易に想像できます。
単純に言うと、仮に通常のサーキットでタービン回転数の平均が10万rpmだとすれば、12.8万rpmになる訳です。
一方、空気が薄い分冷えない訳で、タービンはいつもより発熱量がおいにも関わらず、いつもより冷えないという二重苦に遭う事になります。
思っていたより壊れず、満足しているとフランツ・トストは言っていますが、単に壊れる前に交換しているだけ(レース中に壊れて獲れるポイントを失うよりは良いですが)で、耐久性は他メーカーより明らかに劣るホンダPU、最後まで壊れずにハートレーに一縷の望みをもたらせてくれるでしょうか?