先週2月9日(金)にフジテレビで金曜プレミアム「新京都殺人案内」が放送されました。
「京都殺人案内」は1979年から2010年までテレビ朝日系の2時間ドラマ「土曜ワイド劇場」で放送された刑事ドラマシリーズです。
第一回は山村美紗の狩谷警部シリーズの『花の棺』が原作で第二回以降は和久俊三原作の音川音次郎が登場するシリーズを原作となっています。
和久俊三の作品を検索すると、Wikipediaでは「赤かぶ検事シリーズ」の次に「京都殺人案内」シリーズ、「新京都殺人案内」シリーズが出て来ます。
ですが、「京都殺人案内」、「京都殺人案内シリーズ」で検索すると1ページ目にはドラマシリーズのみが検索結果として表示され、原作については2ページ目以降の表示となります。
そもそも、和久俊三の作品のシリーズ名を番組のタイトルに掲げながら、第一回目の放送で山村美紗原作のドラマを放送するというのもおかしな話です。
ひょっとすると、ドラマで音川音次郎シリーズが「京都殺人案内」として定着したため、後付けでシリーズ名を付けたのでは無いかと勘ぐっています。
異なる放送局で同じ原作者のドラマが放送されるのは、浅見光彦シリーズや西村京太郎のトラベルミステリーシリーズなどがありますが、もし「京都殺人案内」のオリジナルはドラマシリーズ名によるとすれば、かなりレアなケースだと思います。
原作にも「新京都殺人案内」シリーズがありますが、「新京都殺人案内」はあくまで音川音次郎シリーズと考えた方が良さそうです。
ドラマは、シェアハウスが火事で全焼するところから始まります。
原作 和久俊三となっていましたが、執筆当時、シェアハウスなど無かったと思いますので、基本的には登場人物を借りたオリジナル脚本では無いかと思います。
今も連載が続く鬼平犯科帳のコミック版や同じく大島やすいち版のコミック版剣客商売と同じで、実質的には原案 和久俊三といったところでしょうか。
ストーリーと言えば、真犯人が最初にアリバイを確認され、「うちの会社は年商20億の一部上場企業」と答える場面がありました。
その他にも放火の実行犯と思われる人物に振り込んだ700万は手数料としては高額過ぎないかと問われ、「社長と相談して、慰労金として多く払った」などと答えていました。
年20億、大きな企業では個人のノルマであっても不思議では無い額です。
東証二部でも(一部も同じ)「最近2年間の利益の額の総額が5億円以上」が上場基準ですから、年商20億だとすると利益率は12.5%以上必要です。
不動産業で利益率12.5%を超えた企業は下記サイトによれば24社しかありませんので、そこそこ高いハードルのように思います。
1桁足りない気がします。
また、高額過ぎる慰労金も、上場企業であれば耐監査性が問われる話で、社長がOKすれば良いというモノではありません。
脚本の佐伯俊道さんにはもう少し世の中を勉強して欲しいですね。