シマノのコンパクトVブレーキのお話(追記版) | masashik0305のブログ

masashik0305のブログ

ジャンルを問わず、思い付いた事、気になった事を書いていきたいと思います。

とは言え、自作PC関係の話やF1関係の話、ドラマの話なんかがメインになると思いますが。

クロスバイクのブレーキにはコンパクトVブレーキが搭載されているのが一般的です。

 

ESCAPE R3のブレーキは初代からずっとTEKTRO RX1というショートアームVブレーキが採用されています。

 

このブレーキは廉価版で評判もよろしくありません。

交換となると、思いつくのはSHIMANO製ですが、ロード用のVブレーキのラインアップは元々は以下の通りでした。

 

BR-R573 105グレード 6,000円前後~(前または後のみ)

BR-R463 ティアグラグレード 3,000円程度(当時、前または後のみ)

BR-R353 SORAグレード 2,000円前後(前または後のみ)

 

既にBR-R463は終息しており、新規購入は出来ないようです。

BR-R573もSHIMANO的には既に最新ラインアップから消えており105でもVブレーキはBR-R353を使うように指示されています。

 

価格はBR-R573に至ってはBR-R353の3倍以上なのですが、パッと見、アームは仕上げが違う程度にしか見えませんね。

アジャスト用のネジのサイズはBR-R353は大きくなっています。

(実際、部品表にも記載されています。)

 

大きな違いは下記の2つのようです。

 

ブレーキシュー(BR-R573、R462はカートリッジシュー、R353は一体型)

BR-R573 M70R2 カートリッジシュー(Y8KY98030 or Y8KY98040、違いはカートリッジの色)

 

ドライ、ウェット共に高い制動力を発揮し且つ耐摩耗性も高いレース用シュー。音鳴りが発生しやすい傾向がある

 

M70CT4、S70Cカートリッジが使用可能と部品表に記載されています。

 

BR-R463 S70C2 カートリッジシュー(Y8KX98020)

 

ドライにて高い制動力を発揮し、音鳴りが発生しにくい。泥状況下ではシューの摩耗量が大きい

 

M70CT4カートリッジが使用可能と部品表に記載されています。

 

BR-R353 S70T カートリッジ(Y8KW98010)

 

ドライにて高い制動力を発揮し、音鳴りが発生しにくい。泥状況下ではシューの摩耗量が大きい

 

M70T4ブレーキシューが使用可能と部品表に記載されています。

 

 

BR-R463ユーザーの方がBR-R573に交換した感想では、BR-R573ブレーキシューは長い距離走ると音鳴りがし始め、リムが削れているような気がするとのレビューがありました。

ブレーキシューを換える前提じゃないと普段使いには向かないようです。

 

BR-R573ユーザーの方の多くよりマイルドなM70CT4カートリッジに換装して使用しているようです。

BR-R353で使用可能なM70T4はM70CT4を一体型にしたものですので、リムを研磨する程、制動力の強いM70R2を使用する場合のみBR-R573が必要で、その剛性は下記のボルトで担保されている※1、と考えてよさそうです。

 

取付けボルトの素材

 

取付けボルトですが、ボルトのみも保守部品として購入可能です。

BR-R573の取付けボルト 2,500円前後/本

BR-R353の取付けボルト 180円前後/本

 

取付けには2本必要ですから、5,000円 vs 360円 !

M6×16mmまたは25mmのボルトなのですが、チタンだとしてもちょっと高いような気がします。

保守部品の価格の合計が製品価格になる訳ではありませんが、ボルトだけでこれだけ違うと、ブレーキシューとボルト以外の差は微々たるものと考えて良いのでは無いでしょうか?

 

SHIMANOも2017-2018のLine-up Chartでは、下記の通り、105シリーズのVブレーキはBR-R353を推奨していますから、BR-R353でも105グレードとして使用できる品質と考えて良いのだと思います。


BR-R573BR-R353でアーム等の素材に起因する剛性などが違うのであれば、BR-R573が今後入手できなくなる前に購入しておこうかと思ったのですが、上記程度の差で、且つ実質的にはブレーキシューも交換が必要になりそうなので、見送る事にしました。

 

ちなみに、この取付けボルトは相互に使えると書かれていますから、BR-R573用のボルトでBR-R353を取付ければ、リムに優しい105グレードのコンパクトVブレーキの完成です。

 

※1

上記のように推測したのですが、検証の意味でM70R2を使用する他のブレーキの取付けボルトについて調べてみました。

 

結論からすると、大外れでした。

 

下記の通り、BR-M570BR-M960の取付けボルトは、BR-R463BR-R353と価格的には変わりません。

M70R2を使用するからといって、取付けボルトに高い剛性が必要という訳では無さそうです。

 

BR-M760 取付けボルト Y84F10400(260円前後)

BR-M760/BR-M570/BR-M570-S 取付ボルト(M6×22)

 

 

BR-M570/570-Sで使用出来るシューはS70T/M70T3/M70T4でM70R2は不可

 

BR-M770 取付けボルト Y8EM07000(1,000円前後)

 

BR-M960/BR-M970 取付けボルト Y8AB30000(220円前後)

 

BR-R573の取付けボルトだけが、超高級品(一般的なVブレーキ用ボルトの10倍以上、比較的高価なBR-M770のボルトの2倍以上)である理由は・・・・謎です。