父親参観な営業活動を企てました | 松村マサル子の日常に訊け!

松村マサル子の日常に訊け!

役者・松村マサル子の日常で起こったことや感じたことを綴ります


その昔、俺がガキだった頃の話。そうね、モノゴコロついたくらいから小学校中学年ってトコかな。
ウチの会社って半ば配送業みたいなモンでさ、今でもそうだけど、相手先まで届けるのが基本なのね。当時から配送のおっちゃんが何人も来ててさ、トラックも何台もあって。で、俺はそのトラックの横に座ってるのが好きな迷惑なガキだったのさ。手伝うでも何をするでもなく、ただ座って車窓を眺めるのが好きなバカガキで。中小零細ののんびり感とか昭和の懐の広さとか、そういったモノのおかげですな。親戚のおっちゃんもいて、この人は孫みたいにかわいがってもらったなぁ。「おう、今日も乗ってくか?」みたいな。今ンなって、俺の前でそンなコトやろうモンならブッ飛ばしモンだぜ、公私混同&恥ずいコトしてンじゃねぇ、ってさ。

でもソレはお父っつぁんに対しても同じでさ、やっぱやたらと乗りたがったね。一番覚えてるのが運動会の挨拶回り、学校の。小中学校で運動会やるじゃん?出入りの業者としておめでとうございます、コレはご祝儀です、と。そういうのを禁止する今と違って、昭和はそういう時代だったのよ。
時期によっちゃ、1日にいくつものガッコが集中しちゃってね、ハシゴすンのも1分を惜しむレベルで忙しいっていう。その横にも座ってた記憶があンのよ。確か、待ってるクルマン中でラジオから都はるみさんの曲が流れてた気がする。つくづく昭和やなぁ。

さてさて、昨日に引き続いての年始挨拶回りシリーズ。昨日も書いたけど、やっぱ今年はゆったり余裕を以てコトに当たれるからありがたいね。で、そンな余裕からフト思ったのよ、お父っつぁんに横に座らせようかなって。
おかげさまで去年の肝臓ガンは無事治って、目下絶賛リハビリ中の身。でもヨロヨロだしさ、何より80オーバーのジジイだ、運転免許は返納ってコトで。半強制的に。でも運転が好きなジジイだし、クルマ社会の田舎じゃ外に出るのもままならねぇ。なにがしかの目的がないと付き合うワケにもいかねぇ、コッチもヒマじゃねぇンだから。
だったら、ってコトで。純粋にドライブってだけだけど、俺は挨拶回りでバタバタするンだけど、でもソレでいいなら乗ってけよってコトで。だから敢えて昨日は近いトコだけにしといて、今日は比較的遠目なガッコを回ったのね。少しでもドライブ感を味わえよ、って。
変な感じやね、昔の記憶と立場が逆転しちまってるっていう。ずっと付き合ってた妹も仕事で帰ったからね、相手すンのは俺しかいねぇし。まぁ、でも昔話も飛び出したし、それなりに刺激になったとは思うけどね。軽い親孝行っつーかね。
商品の売り込み営業じゃなくただ行けばいいって作業だからアリ(と思ってる)なコトだ。イレギュラーなコトよ。少しは孝行息子だとは思ってもらいてぇなぁ。