天国の日々 | 日々是一進一退

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20年以上接客業に携わってきました。
その前は公務員をちらりと。
接客メインで書こうとしておりましたが、すっかり四方山話になっております。

高校生の頃、本と同じくらい映画が大好きで、映画であればB級でも何でも片っ端から観る!(と言っても劇場にはお小遣いの都合、めったにはいけないので、もっぱらテレビでしたが)という時期がありました。

当時は今よりは記憶力がましだったので、監督さんや音楽担当やカメラマンの名前で観る、みたいな事もしていました。
本好きがもうちょっと弱ければ、シネフィルになっていたかも。

そんな頃に、偶然観たのが「天国の日々」。

ストーリーはちっとも覚えていないのですが、あまりの映像の美しさにすっかり最後まで観てしまいました。そして美しい映画だった、監督がテレンス・マリックという人で、「マジックアワー」を使って撮影した事を後日知ります。

つい最近、散歩に出た帰りがちょうど夕暮れで、
まさにマジックアワーで無骨な倉庫すら美しく見えるような時間。

一応マジックアワーとは。

マジックアワー (magic hour) 、マジックタイムは、日没後に数十分程体験できる薄明の時間帯を指す撮影用語で、光源となる太陽が姿を消しているため限りなく影の無い状態が作り出される状態となり、色相がソフトで暖かく、金色に輝いて見える状態である。ゴールデンアワー (golden hour) とも呼ばれる。

「天国の日々」は、夕暮れのシーンは全て、1日の内のたった20分間しかないこのマジックアワーに撮影されています。

人が「天国」に持つイメージって、重さや暗さ、硬さや鋭さ、冷たさといった、生きることの辛さや軛を連想させるものの一切無い世界的だと思うのです。

軽く、明るく、柔らかく暖かく、すべての輪郭が溶け合うような。

そんなイメージを表現できる時間が、このマジックアワーなのです。

昼と夜のあわい、毎日起こっている現象なのに、日々の生活に見過ごしてしまっている、美しく儚い時間。

久しぶりに見る事ができて、色々な事を思い出してしまいましたニコニコ

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人と、犬と、太陽。
寂しいような、十分であるような。