ある動きを音楽にする。
現代音楽の作品制作のひとつの手法として定着してますが、
これは工学的には一種の可聴化(Sonification)とも言えます。
うちのゼミ(明星大学横山研)ではそういった「○○⇒音楽」というコンセプトで研究・開発を行ってます。
脳波を使ったり、ロボットとのインタラクションだったり。
今回は、学生のO君がVRや音楽が好きだというので、卒業研究として
モーショントラッカーをつかったシステムで音楽制作にチャレンジしてもらいました。
グローブ型の指動作のセンサーとしてHI5、腕や頭、足はVIVEを計6個装着。
Unityでこれらのセンサーから位置・速度の情報を得ます。
そしてそれら情報からリアルタイムで音に変換するのはMAXです。
どのような動作を音楽にするか、ということについては、
私の思い付きで「和」にしました。
発表するのがインターナショナルな音楽祭(TAMAフェスhttps://tamafes.tumblr.com/、当大学公開シンポジウム)
だったこともあり、海外の参加者に楽しんでもらえるかな・・・ということで。
選んだ動作は、茶道(静)、空手(動)、ラーメン(?)。
ラーメンが日本的か?
いやいや、カップラーメンは日本で発展したソウルフードでしょ!
1971年、日清の創業者安藤百福が創始者のようです。
撮影や道具などの雰囲気はこの動画のような感じです。
グローブ自体はさほど重くないですが、VIVEが若干重さがあるので、
細かな動作や、空手のような激しい動作では気を付けないといけませんでした。
茶道は裏千家師範である友人、空手は友人の紹介による空手の日本強化選手!
ラーメンを食べるのは開発者本人のO君!
カメラと音の編集は筆者横山。
といった豪華メンバーでできた作品がこちら。
Masao Yokoyama & Yuki Ota
「Not just the Environment! - モーションセンサーによる3つの日本的所作 」
※ Program Note
この作品は日本の文化における所作を可聴化することに基づいている。伝統的な日本文化の茶道、今となっては世界的な武術である空手、そして、これまた世界各国に広まった庶民グルメであるラーメン。この3つの動きをVIVEモーショントラッカー(HI5)とMAXによる映像と音で表現した。今、音楽業界にとって多くの意味で困難な年である。しかし、それでも音楽と文化は、我々をとりまく環境どうであれ、そこに存在する。
作品はTAMAフェスティバル2021という明星大学情報学部主催(筆者がオーガナイザの一人)の
現代音楽のレクチャーイベントで発表しました。
(イベントについては↓のHPをご覧ください)
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音楽と楽器の研究:
https://yokoyama-music-research.jimdofree.com/
筆者(横山真男)のHP(楽譜のダウンロードもできる作品リスト)
https://www.cello-maker.com/research/music/japanesemusic-score.html