こんにちは、

一般社団法人マインドフルネス瞑想協会代表理事の吉田マサオです。



本やメルマガの読者の方から
このようなメッセージをよくいただきます。

「マインドフルネスに出会って
鬱が改善し、薬を飲まなくてもよくなりました」

「うつ病の薬で完治しなかったのは、
自分の心のありかたに問題があったのだと気づきました」



なぜマインドフルネスで
このような心身の変化が起こるのでしょう?

それは、
気づく力(アウェアネス)が高まることで、
苦しくなる心の癖(無知、無明)が緩むから。

さらに言うなら、本当の自分に目覚め、
内側のワクワク、大切な価値観に気づき、
それを大切にできるようになるから。


人生が変容するプロセスを、
大きく二つに分けると、

1 思考との向き合い方が変わり、
2 感覚や感情との向き合い方が変わり、


心が楽になり、善い循環が生まれていく…
そんな風に感じてます。

本日は、
1の「思考」について解説します。


ーー

私も、鬱病とまではいきませんが、
気を病んでいるような時期がありました。

自分に自信を持てず、
自分のことが好きになれず、
何もやる気がしない時期がありました。

そんな自分自身の経験を振り返ってみると、
自分の中に原因があることが見えてきました。

自分に自信が持てなかったのは、
自分自身や他人を責める声があったから。


もっと言うなら、

理想の自分と
人と自分を比べて自分を否定したり、
(比較、劣等感)

嫌な気分を、
何度も思い出して味わったり、
(後悔、反芻思考)

起こってほしくない
未来を何度も想像したり、
(不安、妄想)


このような「心の癖」があったから。


まぁ、このようなネガティブな思考は、
多かれ少なかれ、誰の中にもありますし、

完全になくなることはありません。

そもそもネガティブな面の裏にも
ポジティブな面が隠れていたりします。

例えば、
「嫉妬」するのは、
「自分もそうなりたい」
という「向上心」の裏返しですし、

適度に「劣等感」を感じることで
それが、「謙虚さ」につながることもあります。

だから、ネガティブな側面があって当然。
むしろ適度に認めてあげることでバランスがとれます。

「ネガティブ思考=悪い」
ということではありません。

問題なのは、
ネガティブにとらわれすぎること。

ネガティブな面だけにフォーカスしすぎること。

過剰なネガティブ思考が繰り返されて、
エスカレートし、パターン化すると、
どんどん苦しく、生き辛くなってきます。


では、

なぜネガティブにとらわれるのか?
その原因を一緒に考えてみましょう。


なぜパターン化(執着)すると思いますか?



それは、
気づいてないから。

一言で言うと、
マインドレスネス(無意識の自動操縦状態、無知、無明)だから。


つまり、
常にネガティブな妄想と一体化して、
それに気づいていないことが根本の原因なのです。


とくに、色んなことがうまくいかず、
ストレスがたまり心に余裕がなくってくると…
気づく力(アウェアネス)が弱くなります。


気づく力(アウェアネス)が弱くなると、
無意識にネガティブ思考の頻度が高くなり、
負のスパイラルにハマり、

すでにある幸せ、才能、たくさんの豊かさ、
ネガティブの中にあるポジティブに気づくことができなくなるのです。
(※経験者談)


で、
苦しみがエスカレートしてくると、
自分で自分の感情を抱えきれなくなり、

自分の心を(無意識に)守るために、
薬や、強い刺激や、人のせいにして、
回避しようとしがちになります。

でも、残念ながら
それでは根本的な解決にはなりません。

強い刺激、高揚感に依存し、
薬やお酒で意識をぼんやりされば、
一時的に、ごまかすことはできますが、

内側にあるネガティブな心の癖や
否定的な思い込みが変わらなければ、
やはり根っこは同じまま。

また同じような状況で、
同じようなパターンを繰り返すことになります。


大切なことは、
自分の中にある苦しみのパターン、
誤った認識、勘違いに気づくこと。

私が敬愛するベトナム出身の僧侶
ティク・ナット・ハンはこう言っています。

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「この世で最も苦しむ人は
 “ 間違った認識” を多く抱える人である」
ブッダはそう観察しました

そして大抵の認識は「間違い」を含んでいます

暗がりで「蛇」を見てパニックを起こす私たち…
でも誰かが光を当てたら ただの「ロープ」だった…
  
どんな「間違った認識」が
自分を苦しめているか~を知る必要があります。
 
紙に「それは 確かですか?」と書して部屋の壁に張りましょう

「慈しみの瞑想」は澄んだ目と平安な心で物事を眺め
私たちの知覚・認識する能力を向上させてくれます

ティク・ナット・ハン

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「この世で最も苦しむ人は
 “ 間違った認識” を多く抱える人である」

本当にそうだと思います。

私たちは何かをみた瞬間、
過去の記憶、印象から判断します。

とくに頭の中が妄想でいっぱいなときは、
事実と解釈がごっちゃになりがち。

先入観や思い込みで決めつけて、
ただの「ロープ」を「蛇だ!」と勘違いすると、
過剰なストレス、不安や恐れ、緊張を感じます。

ネガティブな色眼鏡が定着し、
なんでも「蛇」に見えてしまうと、

ちょっとしたことで、
「敵だ!」「危ない!」、
「戦え!」「逃げろ!」と反応し、
脳と心を休めることができなくなります。

恩恵を与えてくれる仲間や師に対しても
「敵意」や「嫌悪」を感じるかもしれませんし、

長期的にみたら自分のためになるような
不快感、試練、成長のチャンスに対しても、
「嫌悪」し、避け続けるかもしれません。

さらに慢性的にネガティブに偏ると、
I.Qが低くなり、直感と繋がりにくくなり、
自分の本来の能力を発揮することができなくなります。

だから、自分の心を安定させ、
内なる至福や智慧と繋がるためにも、

「気づき」や「思いやり」を練習し、
内側にスペースをつくる必要があるのです。


私の一番オススメの実践法は、
自分の呼吸や心を内省する習慣を持ち、
マインドフルネスを日々の生活に広げていくことですが、

その中でも、とくにオススメしたいのが、
「思考に対するラベリング」です。

私たちの思考と感情には、
密接な関係性があります。

ネガティブな感情を感じているなときは、
ほぼ、その直前にネガティブな妄想をしています。

もしも次に、

「心が不安定になっているな~」

「身体が緊張しドキドキしているな~」


と思ったら、
身体を心の状態を観察し、
頭で考えていることもチェックしてみてください。

「今、この瞬間、
どんな思いや考えがあるだろう?」


頭の中に注意を向けてみてください。

自動的に湧いてきた
ネガティブな思考に気づいたら
「~思った」と、ラベリングしてみてください。

「~思った」「~考えた」「~解釈した」

と、付け加えることで、
思い込みと事実を切り離すことができます。

「気づく」ことで、

「って思ったけど、それは本当?」

「いや、直接確認したわけではないから事実ではない」

「私には、わからない」


といった感じで、
勝手に湧いてくる思考を
ノーガードで全部鵜呑みにしなくなります。


これって実は、凄いことです!!

気づく前は、選ぶこともできず、
自動的に判断、解釈、反応するだけですが、

気づくことで、
「さて、今回はどうしよう? 」と、
思考や反応を吟味することができるのです。

「ハッ!!」と目を覚まして、

思考そのものから、
思考を観察する側の視点にシフトした瞬間、
無数にある思考、反応、行動のなかから、

より自分の価値観、意図にあったものを
主体的に選択することができるようになるのです。

さらに脳の暴走が落ち着いて、心の働きが止まると、
頭の中の物語、解釈とによる二次的な苦しみが消え、
あるがままの色のついてない現実(青空、スペース)だけが残ります。

この常に、自分の内側にある静寂、至福、全体性、
本当の自分と、定期的につながることで、
幸せの好循環へとシフトしていきます。

と言うわけで、
とくに最近、考えすぎる方、

この「思考に対するラベリング」を意識するだけでも、
ストレスを感じやすい心と脳が緩み、楽になると思います。

よければぜひやってみてください。


さていかがだったでしょうか?

今回も、かなり熱く語ってますが、
私もマインドフルネスが、全ての人にあっているとは思っていません。

例えば、被害妄想が激しかったり、
精神的、体力的に疲弊している方の場合は、
マインドフルネスが有効でないこともありますし、

人によっては、好転反応で、
一時的にネガティブ感情が湧いてくることもあります。

まずは3ヶ月、毎日10分以上継続して見てください。


3ヶ月継続してみて、
心が不安定になる場合は中止してください。

でも逆に、続けるうちに、

・ 「今ここ」に意識を向ける時間が増えた

・ 「後悔」や「不安」でグルグルすることが減った

・ 「自己否定的な自分」や「不安になっている自分」に気づけるようにった

・ 自分や他者に対する思いやりが深まった


などなどの小さな変化を実感したなら、
一緒にマインドフルネスを続けていきましょう。


ここから先は、宣伝です。
近日開催する都内での講座のお知らせ。

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《1日講座》心身を休めるためのマインドフルネスヨガ&瞑想

現代に身を置く私たちは、複雑な仕事内容、
多様な人間関係などさまざまなことを考え、
対応しながら生きています。

朝から晩まで四六時中考え続ける生活は、
知らず知らずのうちに心と身体にストレスが蓄積され、
大きな疲労につながる可能性があります。

そこで、マインドフルネス瞑想&ヨガで
一旦思考の連鎖を断ち切り、
身体の深部を緩めることで心身を休息させましょう。

また、マインドフルネスの基本となる
「今、ここにいるということに意識を集中する」
ことの重要性も理論で学べるので、
効率的にマインドフルネスを学べる絶好の機会です。

日時 5月27日(日) 10:30~13:30
場所 セブンアカデミー 東京 市ヶ谷

詳細&お申し込みはこちら
満員御礼

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yogafestオフィシャルクラス
「はじめてのマインドフルネス瞑想と陰ヨガ」

マインドフルネスは「今、ここ」に100%注意を向け、
心と身体で起こっていることをありのまま観察する「気づき」のトレーニング。
このクラスでは、陰ヨガのポーズの身体感覚を使って、
マインドフルネス瞑想を行います。
ポーズの取り方、意識の向け方を丁寧に誘導しますので、
陰ヨガが初めての方や瞑想が苦手と思われている方も安心してご参加頂けます。
とくにリラックスしたい方、心身を安定させたい方にオススメのクラスです。

日時 5月21日(月)16:30~18:00
場所 新宿高島屋 8階 特設会場

満員御礼

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NURSE FES TOKYO 2018

というイベントで講演します。


テーマは、
「リラックスして、集中力向上!看護に活かすマインドフルネス」


日々ストレスフルに働くナースのための

マインドフルネスの実践講座です。


「明日から気持ちが楽になる」

すぐに使えるメンタルトレーニングをご紹介します。

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どの講座でも、一時的にストレスを和らげるのではなく、
根本的なストレスに気づいて緩める方法をお伝えしていきます。

来年は沖縄に引っ越すので、
今後は都内でのWSも少なくなると思います。
タイミングが合えば、ぜひいらしてください。


追記1

近況報告。

 

マインドフルネス研修@SMBC

前回好評だったので定期開催となりました^^
 

タイトルは、
「仕事の生産性を高めるマインドフルネス入門」

 

最初に、生産性が落ちる原因は、
「マインドレスネス(ぼんやり、上の空)」
であることを指摘。

 

さらには、以下の3つの要素、

 

1 集中&心身の安定
2 気づき(アウェアネス)
3 コンパッション

 

を鍛えると、
仕事の生産性が高まる!!という解説をし、
最後は、マインドフルネス瞑想の実践へ。

 

 

 

追記2
マインドフルネスとコンパッションの変革リーダープログラム
「AWARE」参加してきました。


講師のジョアン・ハリファックス博士のお人柄、在り方が素敵で、
また他の講師の方の個性も豊かだったので、とても面白く、学びになる二日間でした。

気づいたことは、

・ 人との会話の中でもマインドフルな状態を保つこと

・ 目の前で起きていることを受け止めること

・ 目の前の相手を大切に感じ、関心を持つこと

・ 自分のカラダ、ココロ、アタマに注意をむけること

・ まっさらな気持ちで、好奇心をもって、オープンに観察すること

・ そのためにも「私にはわからない」いう態度を意識すること

・ 相手にとって最善の結果になるよう貢献すること

・ 自分の内側にも周りにもコンパッションが溢れていること


自分がどれだけ愛されているか、
自分がどれだけ恵まれているかに気づき、
自然と感謝の涙が溢れてきました。


今回の気づきと感動を大切にして、
読者さんと受講生の皆様に、貢献していきたいと思います。
ありがとうございました。

 

■吉田昌生の瞑想本

https://www.masao-mindfulness.com/book-introduction
マインドフルネスを始める、そして深めるための人気書籍紹介ページ

 

■吉田昌生公式HP

http://www.masao-mindfulness.com/

 

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