どうも、吉田昌生です。

前々回、瞑想が深まらない理由は、
怒り、過剰な欲、妄想に反応する心にある。

瞑想を深める上では、
三毒がない状態をつくることが大事。
ということをお伝えしました。


リンクはこちら
心の三毒 ~マインドフルネスのベースにある仏教思想~
→http://ameblo.jp/masaonoblog/entry-12159982525.html



今回も、マインドフルネス瞑想のベースにある
仏教思想について理解を深めていきたいと思います。





なぜ仏教の瞑想(マインドフルネス瞑想)では観察すること、気づくことが大事なのか?
その理由は、三毒に気づくため。
苦しみを生み出している執着を手放すためです。


ここが他の瞑想との違いです。



たしかに一点集中型の瞑想(サマタ瞑想)で、
マントラや呼吸を数えたりしていけば、

心の働き(思考や感情、欲求)が静まっていき、
その瞬間、悩み苦しみはなくなります。

体と心が深く休息し、
ニュートラルな状態(=本当の自分)になったとき悩みはなくなります。

思考が作り出す不安や、恐れ、苦しみから解放され、心が、


シーーーーーーーーーーーン、、  、   、


と静かに、平和になります。



でも、それは濁った水の汚れが一時的に沈殿して、
水が清らかになったように見えているにすぎません。


心の汚れ、パターンそのままです。

完璧主義やネガティブな考え癖がある人は、
また同じような状況で、同じような欲に支配され、
同じような緊張を生み出す考えかたをしてしまいます。


だから、仏教ではさらに、その集中状態(禅定、三昧)をつかって、
内側を観察して、気づくことを大切にしています。


東洋では、反応することで、
その反応パターンが強化されると教えます。

これを、サンカーラと言います。

(ヨガではサンスカーラと言います。
または結生、行、業、カルマと表現することもできます)


最初は小さな反応です。

でも、繰り返し繰り返し反応することで
その思考パターン、感情パターン、行動パターンになり、
やがて、その人の性格になっていく、、、


すると、ある状況になると、なんでかわからないけど、
自分ではそんな態度とりたくないのに、同じことを繰り返しちゃう。


悪いと頭でわかっているけど、
また同じようなパターンを繰り返しちゃう。


そして、無意識に同じパターンを繰り返すごとに
またその反応の癖は強化されていく、、、

それが性格になり、
あるいは何らかの依存性になる、、、

そんなメカニズムには心にはあるようです。



だから、頑固で怒りっぽい人は
年々、頑固で怒りっぽくなっていきますし、

いつもネガティブな発言ばかりする人は
どんどん否定的な性格になっていくわけです。

(究極的には、この物質的、精神的エネルギーの繰り返しによって、
輪廻を繰り返すことになる、、、と東洋では言うわけですが、
輪廻転生や解脱について書くと、ややこしくなるのでここでは割愛します)





じゃあどうしたらいいのか?


このような反応パターンを改善する唯一の方法が気づきです。
今、この瞬間、目覚めた意識で、反応せず、判断せず、観察すること。




ちなみに、気づきと頭での理解は別物です。

例えば、怒りは良くないと頭で理解しても、
なかなか性格って変わらないですよね。

それは、その反応が癖になって、
その反応と一体化しているからです。

一方で、気づきは、
感情た感覚を対象化していきます。
無意識のパターンを意識化することができ、
それによって思考や感情のパターンを変えることができます。


例えば、怒っているとき、

「ああ、今、私の中に怒りが湧いてる。
苦しみを感じている」


と怒りを対象化したり、
または、幸せな友人をみて、


「あれ、、、
実は私は彼女の才能、成功を心から喜んでいないのかも。
これは嫉妬の感情だな。私の中の承認欲求が反応しているかも」


といった感じで、
自分の無意識の心の反応に光を当てることができるのです。

(そのときに大切なのがジャッジしないで、ただ理解すること。
自分を責めて、新たに毒をつくらないことが大切ですw)





仏教では、自己理解を深めるのに、
前回紹介した三毒を当てはめてチェックしていきます。

三毒が発生している現場を現行犯で逮捕するだけでパターンが変わります。

たとえば、日常生活で苦しくなっていることに気づいたら、

・ 相手に過剰な期待(欲)を押し付けて、自分が苦しくなっていないか?

・ この状況を嫌がり過ぎて(怒)、それがストレスを増大させていないか?

・ わざわざ終わったことを反芻し(妄想)、嫌な気分を味わうのが癖になっていないか?

などなどチェックするといいでしょう。

自分の反応パターンを自覚することによって、
これまでのパターンとは違う行動を選択をすることができます。


例えば、

呼吸を落ち着かせたり、

相手の幸せを祈ってみたり、

意識的に考え方を変えてみたり、

自分の中の感情や欲求を受容したり、

条件付けされた反応と違う、
より合理的な理性的な反応を選択することができるのです。


さらには日々の実践で、
ネガティブな思考に気づくことを意識していけば、
どんどん、ネガティブな思考が減って楽になっていくはずだし、

思いやりをもつことを意識していけば、
本当に思いやり深い人間になっていくわけです。


気づくことで、新しいパターン、流れをつくることができます。


当然、
心の反応の癖、習慣が変われば、人格が変わり、
人格が変われば、人生が変わっていきます。

(これは、自己啓発でよく言われることなので聞いたことがあると思います)


これが仏教が禅定、三昧だけでなく、
気づき、智慧を大切にする大きな理由です。


本来の仏教の瞑想は、
この繰り返されるパターンからの完全な解放(涅槃、解脱)のためのものですが、
もちろん、そこを目指さなくて大丈夫です。


幸せに生きる上でも、
またビジネスで幸せに成功する上でも、
自覚(セルフアゥアネス)は最も重要な要素だと
近年、多くの科学者たちが口を揃えていっています。




もちろん、数回瞑想しただけで、
2、3回、気づいただけでは消えません。

やはり、何年も何年も繰り替えしてきた癖なので、
もしかしたらもっと大昔から、体と心に刻み込まれたものなので、
急には変わりません。

車は急に止まれないのと同じで、
カルマも急には止まらない。


だから、焦らず、忍耐強く、
現状を受容しながら、続けることが大切です。



でも正しく実践していって、
自分自身のことを正しく理解していけば、

心が作り出す過剰なストレス、緊張は確実に和らいでいきます。
(本当に楽になります!!)



こんなこと書いている私も、ヨガや瞑想を始めたばかりのころ、
やればやるほど、苦しくなった時期があります。


それは、それまでの人生のパターン、
つまり、何かを得ようとする方向性や、
過去の苛立ち、劣等感、競争意識などで実践していたらからです。

本来は、やればやるほど心が楽になっていくもの、

でも、もしも苦しくなっているとしたら、これまでの自分のパターン、
または現代社会の物差し(操作主義やインスタント思考)のまま、
ヨガや瞑想をしているからかもしれません。


苦しみ、緊張を取り除くには、
その原因を注意深く観察していく必要があります。



例えば、瞑想中、
焦ったり、苦しくなる場合、
結果を求めすぎて、期待する心の癖がないか?
チェックしてみます。


または、
それが思い通りにならない、
その欲が満たされない不満によって、怒ってイライラしていないか?
そこにパターン化された怒り、未消化な怒りがないか?
チェックしてみます。


さらには、
無意識に考えすぎる癖によって、
不安や恐れ、自己否定、過剰なストレスがないか?
チェックしてみます。


そして、
そのような心の反応によって、集中力が乱れ、
自覚力が妨げられていることにも気づき、理解します。

反応することで、
心に苦しみが生まれていることを
現行犯ではっきり見届けていくのです。





ちなみに、仏教では、
このように煩悩で心がさまよっている状態を有漏(うろ)と言います。
(つまり、無意識の思考や感情に反応しっぱなしで、エネルギーが漏れる状態です)


逆に、煩悩(三毒)がなくなって、
心が静かで迷いのない状態を無漏(むろ)と言います。
(つまり、無駄な反応がない、エネルギーが漏れていない状態です)


見方を変えると、
マインドフルネス瞑想は、

マインドレスネス(有漏) → マインドフルネス(無漏)

に意識を切り替える心のトレーニングとも言えます。



心が上がったり、下がったり、
反応し続けるマインドレスネス(有漏)な心に気づき、
意思の力を振り絞って、マインドフル(無漏)な状態にもっていく。


この繰り返しで意識のコントロール力を鍛えられます。

無駄な判断、反応によって、思考や感情が揺れ動き、
エネルギーが漏れている心の癖を書き換えることができるのです。




このへんで、
言いたいことをまとめると、

マインドフルネス瞑想で大切なことは観察すること。


無意識の思考や反応パターンを意識化し、
内側にある苦しみの源泉に光を当てていくこと。


小さな気づきを繰り返すことで、
自分の中にある過剰なストレスを生み出すパターンを書き換え、心を浄化すること。



そして、なんどもなんども、
ニュートラルな自分(本当の自分)に戻ることで、

思考や感情、欲が静まった状態(空、真我)と、
心が波打っている状態(自動操縦状態、エゴ)との違いが
はっきりとわかるようになります。


もちろん、欲や怒りは完全にはなくなりませんし、
ネガティブな感情は相変わらず湧いてきます。

雑念や妄想は、自然と湧いてきます。
完全になくなることはありません。



でも、それにとらわれることがへります。
日常生活で湧いてくる頭の中の勝手に湧いてくる声、妄想との
シンクロ率がさがっていき、思考を選べるようになります。

そして、無意識のエネルギーが漏れる反応が減った分だけ、
内側の情熱、思いやり、直感などの無垢なハートとつながりやすくなります。






今回の内容は専門用語が多く、
人によっては、すこし難しかったかもしれませんね。

一応、誤解のないようにいっておくと、
マインドフルネスのベースにある仏教的なことを書きましたが、
私は仏教徒ではありませんし、特定の宗教を信じていません。

また瞑想を深めるために三毒の話をしていますが、
日常生活における自我や煩悩も否定していません。


大切なのは、社会生活を営みながら、
自我とうまくつきあっていくこと。

煩悩を適切にコントロールして、あるいは昇華させ、
適切な形でそれらを満たしていくことだと思います。


あなたの魂の欲求、夢や目標、
それらを実現していくためのツールとして、
瞑想やヨガを使っていただきたいと思ってます。


あなたが、幸せでありますように。
そんな祈りをこめて、締めくくりたいと思います。


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