日々の気づきを記録する。 -3ページ目

【読書メモ】「売る」ための仕事術 吉越浩一郎

「売る」ための仕事術/吉越 浩一郎

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トリンプインターナショナルの元社長。「残業ゼロの
仕事力」で有名な方。

今年読もうとしている古典系ではなく、ハウトゥー本系
ですが、気になるフレーズが多かったのでメモしてみ
ました。

ご参考まで。

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営業の活動範囲が戦術レベルにとどまり、マーケティング戦略から
切り離されているというのは、その最たるものだといっていいで
しょう。

答えの一番近くにいる営業が、一般消費者が求めているものを咀嚼
して、こういった商品をほしがっているはずなのです。
もし答えがわからないというならば、まさに勉強不足です。

営業は商品やサービスの前に、自分自身を売っているという自覚を
持つこと。

目安は60パーセント。6割が正しいという確信が持てたところで
即実行です。

6割の確信で実行、現場に密着しながら残りの4割を埋め、同時に
微調整や軌道修正を繰り返す。

会社の業績は「基本の徹底」で決まる。

営業を仕組み化する

ソフトウェアというものは長く使っていると、不便や不都合を感じ
る部分が必ず出てきます。それを修正するにはプログラムを書き換
えなければならないのですが、外注で作ったシステムだと、もとの
プログラムがブラックボックスになっているので、自分たちでいじ
ることができず、修正のたびに同じソフトウェア会社にお願いしな
ければなりません。
そのたびに何度も打ち合わせをしてこちらの希望を伝えなければな
らず、しかも一度で希望のものが出来上がってくる保証はないので、
完成するまでに非常に時間とコストがかかります。
(中略)なにより業務内容がよくわかっているので、最初からかゆ
いところに手が届くものができる可能性が高いのです。

ジャックウェルチはリーダーに必要なものは「4つのE」と言ってい
ます。Energy(エネルギー)、Energize、Edge(厳しさ)、Execute
(実行)

彼らは自分で考えて働き、自分で学び、その結果上司をも超える結果
を出してきた。

チェックするタイミングであるデッドラインが来た時に、上司は正しい
方向にいっているかと、遅れがないかという二点をチェックする

PDCAをまわすのではなく、CAを回すという教育

いい人は評価しない

存在感というのは、何があっても彼に任せておけば大丈夫という信頼感
と同義

あいつは信用できると相手に思ってもらうためには、約束をきちんと守る、
お客さんにとって有利な条件を会社と交渉して引き出すということを何度も
繰り返し、少しずつ、小さな信用を積み重ねていくしかないのです。

営業は目立ってナンボ

「勝負脳の鍛え方」林成之氏が北島康介にアドバイス「ハンセンをライバル
ではなく、自分を高めるツールだと思え」

仕事には全身全霊をかけて取り組む一方で、しょせんこれはゲームにすぎない
という割り切りも、心の健康のためには大切です。

自分でゲームをコントロールできるようになることです。上司の判断を仰がな
いと何も決められないようでは、ゲームの勝ち負けは上司次第になってしまう
し、仮に勝っても楽しくないでしょう。

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目次
第1章 会社を引っぱるのは営業です
第2章 そのやり方では売れません
第3章 即断、即決、即実行+前倒しを実践しよう
第4章 「売る」ための仕事術を身につけよう
第5章 SUK営業術で高みを目指そう
第6章 吉越式上司の鉄則
第7章 勝てる営業の心得

へぇ~、孔子って意外と人間臭いんだ。【書評】現代語訳 論語 齋藤孝訳

現代語訳 論語 (ちくま新書)/齋藤 孝

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古典を読む2011年。

心の積読「論語」が齋藤孝の現代語訳を見つけたので
さっそく読みました。(著者の「学問のススメ」がと
ても読みやすくおススメです)

ただ、「論語」というもの自体が読みにくい構成で
すね。

孔子と彼の高弟のやり取りを彼の死後、弟子たち
が記録した書で、512の短文が全20編で構成さ
れています。

短文一つ一つは「なるほど」と納得するのですが、全体
でひとつのストーリーではないので、ぶつぶつ切れた感
があります。(もちろん、「仁」を大切にするという一
貫した基本思想はあります)

これはツイッターのbotとして、エピソードをちょっと
ずつ味わうのがいい気がします。

今回、読んでみて面白かったのは意外と孔子って人間臭い
人ということ。(あとがきで訳者も書いています)

仙人みたいに感情を全く表に出さないかと思いきや、結構、
「苛立ち」や「不満」「熱情」などが伝わってきます。

また、弟子の質問に答えて、その弟子が部屋を退出したあと、
評価をするんですが、「あいつはだめだよね」みたいなこと
を結構、言っています。(子路第13・4等)

それって「陰口じゃん!」って突っ込みたくなります。(笑)


古典の中の古典。新書でそれほど厚くありませんし、齋藤孝の
訳文はさすがわかりやすい。

格言集だと思って、一度目を通しておくべき本だと思います。

【目次】
はじめに
学而第一(がくじ)
為政第二(いせい)
八佾第三(はちいつ)
里仁第四(りじん)
公冶長第五(こうやちょう)
雍也第六(ようや)
述而第七(じゅつじ)
泰伯第八(たいはく)
子罕第九(しかん)
郷党第十(きょうとう)
先進第十一(せんしん)
顔淵第十二(がんえん)
子路第十三(しろ)
憲問第十四(けんもん)
衛霊公第十五(えいれいこう)
季氏第十六(きし)
陽貨第十七(ようか)
微子第十八(びし)
子張第十九(しちょう)
堯曰第二十(ぎょうえつ)
解説

今年は良書を厳選して読んでいきます。【書評】貧困の終焉 ジェフリー・サックス

貧困の終焉―2025年までに世界を変える/ジェフリー サックス

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2011年は数よりも質。薄い自己啓発本ではなく、古典を含めた
きちんと評価の高い本を読んでいきたいと思います。

昨年、読んだ本を振り返っても、やはり、きちんとした本が印象に
残ってるのが実証されたので。

で、いきなり「貧困の終焉」です。

この本は、まず「私たちが生きているあいだに世界の貧困を
なくすことについて書かれた本である」の宣言から始まります。

「現在、世界で800万人以上の人があまりに貧しすぎて死んで
いる」「私たちの世代は2025年までにこのような極貧をはなくす
ことができる」と。

著者は、大学で28歳の若さで終身在職権を得た気鋭のハーバー
ド大学の経済学教授。

貧困の実態を見たことがきっかけで開発経済学からさらに臨床経済
学という新たなアプローチで、世界の貧困を撲滅しようとしています。

その著者が「貧困の終焉」の道筋を書いた本がこれ。

超頭のいい経済学教授が書いた534頁の大著なのでもっと難解かと
思いましたが、意外と読み進めることができました。(もちろん簡単な本
ではないですが)

1章から4章は導入部分。現在の貧困状況や臨床経済学の提唱など。

5章から10章まではボリビア、ロシア、インド、ミレニアム開発目標など
自身が携わったエピソード。このあたりは物語風で読みやすい。

11章から終わりまで具体的な処方箋をまとめています。

経済学の方からは批判も受けているようですが、素人にも分かりやすい、
アピールの仕方は勉強になります。

「The End Of Poverty」や自分たちの世代までに実現できる」「2025年まで
に貧困をなくす」

ジェフリーさんに言われると、「できるかも。」と思わせてくれます。

意外と読みやすいので、貧困問題、発展途上国の問題に興味ある方はぜひ、
読んでみては。

【目次】
序文
1 地球家族のさまざまな肖像
2 経済的な繁栄の広がり
3 なぜ繁栄を享受できない国があるのか
4 臨床経済学
5 ボリビアの高海抜(ハイ・アルチチュード)ハイパーインフレーション
6 ポーランドがEUに復帰するまで
7 ロシアが普通の国になるための闘い
8 五百年の遅れを取り戻す―中国の場合
9 インドのマーケット再編成―恐怖を乗り越えた希望の勝利
10 声なき死―アフリカと病
11 ミレニアム、9・11、そして国連
12 貧困をなくすための地に足のついた解決策
13 貧困をなくすために必要な投資
14 貧困をなくすためのグローバルな協約
15 豊かな社会は貧しい人々を助けることができるか?
16 まちがった神話、効かない万能薬
17 なぜわたしたちがそれをすべきなのか
18 私たちの世代の挑戦