2021.10.24 一日一季語 木賊(とくさ) 【秋―植物―仲秋】
木賊刈る墓守る老婆黙々と 安原坤
木賊刈りの鎌を手にした老婆。まして、墓守であるならば、ちょっと怖さを感じます。
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【傍題季語】
砥草(とくさ)木賊刈る(とくさかる)
【季語の説明】
トクサ目の常緑性シダ植物。山中の湿地に自生。観賞用に庭園などに植える。茎は叢生し,硬く中空で節があり,高さ70センチメートル内外。表面は深緑色で縦溝があってざらつき,節には黒色の鞘 (さや)がつく。
茎が充実する秋に刈り取ってゆでて乾燥させたものを木製器具や角・骨を磨くのに用いる。漢方薬に用いることも。「研ぐ草」であることからこの名がある。
【例句】
子を負ふて木賊刈る里の女哉 正岡子規
あをあをと木賊の夢が墓囲ふ 石寒太
遠景に煙のあまた木賊刈る 柳澤和子
青空に木賊の節を継足せる 高澤良一
南無南無と木賊の青きまま焼べて 中原道夫
【季語の語源など】
トクサを乾燥して生薬にしたものを木賊と呼んでいたことから「木賊」、他にもトクサの茎の表面はザラザラとしているので、昔からトクサを乾燥させてできた天然のヤスリとして工芸品磨きや爪砥ぎに使われていたことから「砥草」と呼ばれるようになりました。このトクサのヤスリは木材や爪だけでなく金属を磨くほどの研磨効果があるようです
【能『木賊』】
我が子と生き別れになった老父が、子に身をやつして狂い舞い、ついには子に再会するという内容の能。老父による物狂いは他に類曲がなく難曲といわれる。
能『木賊』は男親と子の再会をテーマにした物狂能です。能には親子再会物、特に母子再会の女物狂能は多くありますが、男親と子の再会物は珍しく、『弱法師』や『花月』、『歌占』などあるとはいえ、男親が老翁というのはこの『木賊』一曲だけです。
【木賊刈り】
立川談志の出囃子
長唄「木賊刈り」からとったものだという。
謡曲「木賊」に題材を借りたもので、
【都の僧が父を尋ねる少年を伴い、信濃国園原山に着くと、
月明かりの中、木賊を刈る老人に出会う。その老人こそ、少年の父だった】
という内容。
【今日は何の日】
国連デー
1945年の今日、国際連合が正式に発足したことに由来する。日本は1956年(昭和31年)に加盟が認められた。
(旧)暗黒の木曜日
1929(昭和4)年10月24日木曜日、ニューヨーク・ウォール街の株式取引所で株価が大暴落し、世界大恐慌のきっかけとなった。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)