2021.3.31 一日一季語 落花(らっか《らくくわ》) 【春―植物―初春】
甲羅干す亀に落花の二三片 尾辻のり子
一昨年の写真だが、この句にピッタリの景を、江ノ島で撮影できました。
長閑な雰囲気の句だど思います。
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【傍題季語】
散る桜(ちるさくら) 花吹雪(はなふぶき) 飛花(ひか《ひくわ》) 花散る(はなちる) 花屑(はなくず《はなくづ》) 花の塵(はなのちり) 花筏(はないかだ)
【季語の説明】
桜の花が舞い散るさま、または散り敷いた花びらのことをいいます。桜の花は散り際が潔く美しいので古くからその風情を愛されてきました。この潔さを一段と極めたのが、江戸末期から明治にかけての品種改良による染井吉野(ソメイヨシノ)の誕生でしょう。従来の山桜の花弁は白く、花と葉が同時に現れるのに対して、染井吉野はほんのり紅をさした花だけが先に開き、いっせいに散り、その様子は華麗そのもの。
花吹雪、桜吹雪といえば、は桜の花が風に散り乱れるさまを吹雪にたとえたもの。桜の花びらが水面を重なって流れる様子を筏に見立て「花筏」といいます。
花びらが散り果てたあとも、花の塵、花屑といって愛でます。
*2021.3.30 目黒川大崎付近花筏
【例句】
譲られし木椅子に坐して落花浴ぶ 足利錞子
花屑の影も吹かれてゆきにけり 加藤あけみ
組みかけのままに流れて花筏 小川匠太郎
花筏くづれて見えし鯉の口 井出やすはる
花吹雪だんだん怖きことおもふ 仙田洋子
【季語の語源など】
日本人が桜を愛でていた記録は多く残っており、古くは古事記にも桜の花にたとえた女神が登場しています。万葉集では、はっきりと「春を象徴する花」として桜が数多く描かれており、万葉集が編まれた奈良時代には、すでに桜を愛する気持ちが日本人の心に形づくられていたことがわかります。
はじめて桜の花見をしたのも、平安時代の天皇である嵯峨天皇であったといわれています。
桜の木自体の寿命は長く、品種によっては100年以上を誇るものもありますが、桜の花はごく短命です。春の間でもほんの短い期間だけに咲き誇り、風と共に薄い花びらはさらさらと散っていくため、見ごろは半月もありません。
美しい桜の花が一瞬咲き乱れ、はかなく散っていくようすを見た古来の人々が、桜によって死生観に思いを馳せたり「神聖なもの、神を思わせるもの」として、桜を崇拝の対象にしたりしていたと考えるのは、難しいことではないでしょう。
日本人と桜の縁は非常に古く、『古事記』や『日本書紀』では天孫降臨した天照大御神の孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)に求婚される美しき木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が、はかなく散るものの象徴(=桜の花)として書かれていて、桜という名称は「咲耶」から転じたという説があります。
「花の寺」
「花の寺」として知られる勝持寺。桜をこよなく愛した歌人である西行手植えの桜の3代目である「西行桜」をはじめ約100本の桜で全山が花に埋もれるほどです。侘びしく佇む古寺の風情に桜が良く似合います。
応仁の乱の際ほとんどの伽藍が焼失し、天正年間(1573~92)に再建されたお寺です。
多くの桜の歌を詠んだことで知られる西行は、この地で出家し、草庵を結び、一本の桜を植えたと伝えられています。これが「西行桜」と言われています。毎年4月には桜が境内を埋め尽くすため、「花の寺」と呼ばれています。
【日本で一度は見ておきたい3大桜の名所】
青森県の弘前公園
長野県の高遠城址公園
奈良県の吉野山
弘前公園が染井吉野
高遠城址公園はコヒガンザクラ
吉野山がシロヤマザクラ
弘前公園の染井吉野は4月下旬頃に満開を迎え、ゴールデンウィーク頃まで楽しめると言われています。
散り際に弘前城のお堀一面に花びら浮かぶことで見られる「花筏(はないかだ)」も非常に有名です。
【今日は何の日】
オーケストラの日
日本オーケストラ連盟が2007(平成19)年1月に制定し、その年から実施。
「み(3)み(3)に一番」「み(3)み(3)にいい(1)ひ」(耳に良い日)の語呂合せと、春休み期間中であり親子揃ってイベントに参加しやすいことから。
日本オーケストラ連盟
教育基本法・学校教育法公布記念日
1947(昭和22)年のこの日、「教育基本法」と「学校教育法」が公布された。
翌日から施行され、学校教育の6・3・3・4制が発足した。
エッフェル塔落成記念日
1889(明治22)年のこの日、エッフェル塔の落成式が行われた。
以下の図書、ホームページを参考、引用しています。
(合本俳句歳時記 第四版 角川学芸出版)
富山いづみ <admin@nnh.to>
(カラー図説 日本大歳時記 講談社)
(大人も読みたい こども歳時記 長谷川櫂監修)
( 季語と歳時記の会編著 小学館刊 )
(ウイキペディア)
(575筆まか勢)
(俳句のサロン)
(一般社団法人日本記念日協会)