「陶芸の進行形」という展示を見て来ました。会場は菊池寛実記念 智美術館。当ブログをフォローしてくださっている方なら、もう読み方は覚えていただけましたよね?「きくちかんじつきねん ともびじゅつかん」です。場所は赤坂アークヒルズ、虎ノ門ヒルズ、そして今日、11/24にオープンする話題の麻布台ヒルズなどに囲まれたエリアにあります。
今回の展示は「進行形」というタイトルから分かるように、いま30代後半から40代という、比較的若い世代の作家さんの作品を集めたもの。基本的にどの作品も、過去数年間の間に生まれたものばかりです。
(展示会チラシより)
いつ来ても独特な静寂のなかに佇む、美術館の雰囲気がしない美術館?だなと思います。超最先端のホスピスみたいな、医療機関みたいなものを想像してしまう。
この美術館での展示にしては珍しく、撮影は全面的にOKだったので、いくつか撮ってきたものをご覧ください。
「萌動」藤笠砂都子(東京都)
この作品が典型的ですが、「うつわ」という陶芸の常識からは飛躍したオブジェ的な作品もたくさんありました。これも「やきもの」なんですけど、どうやって造っているんですかねぇ? 写真では大きさが伝わらないのが残念。(H67.0×W68.5×D49.5cm)
「切り継ぎ -廻-」森山寛二郎(福岡県) (H90.0×W65.0×D40.5cm)
「真珠光彩鉢」中田博士(石川県)
「白妙彩磁鉢」荘村久喜(佐賀県)
「青甕平壺『水天彷彿』」津金日人夢(熊本県)
「光器」新里明士(岐阜県)
「紅白鮮 水彩-2301-」増原嘉央理(札幌市)
「猫童女坐像」津守愛香(滋賀県)
上の写真はすべてスマホ撮影です。とても薄暗い場所なので、私がずっと使っていたやっすいデジカメでは絶対にこんなふうには撮れないですね。悔しいけれどスマホに脱帽。また会場の一角にビデオコーナーがあって、作家さんたちの制作風景を少しずつ紹介していました。土をこねるところとか、窯の中の様子とか。
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作品と、制作風景のビデオを観て私が感じたことがふたつ、ありました。
●当たり前ですが「うつわ」には「外」と「内」があることに気がつきました。「いれもの」としては外側から見られるのが主体ですけれど、中に何かを入れる(孕む?)ことで命が宿る…みたいな? 大げさに言うと肉体性と精神性…みたいな? ボンヤリしたイメージですが、そんな思いが浮かびました。
●やきものを焼く窯の映像を観ていてハッと思ったのは「釜の内側はコンサートホールに似ている!」ということでした。火の回りを良くして内部の温度を適度に保つためでしょうけど、窯の内側って、なんかやたらと凸凹してるんですよ。コンサートホールも、音響を良くするために壁は真っ平じゃなくて複雑な形をしていますよね? そこに何となく共通するものを感じました。
素人の頓珍漢な発想かもしれませんが(きっとそうです)そんなことを思いました。
<追記>
やきものに関する興味がますます湧いてきたので、このブログに「やきもの」というテーマを設けることにしました。過去記事でやきものに関するものは、ここに移転してありますので、興味のある方はご覧ください。