陶芸展ふたつ | マサミのブログ Road to 42.195km

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「やきもの」に関する展示をふたつ、会期末ギリギリで観てきました。

 

 

まずはこちら↑。菊池寛実記念 智美術館(きくちかんじつきねん ともびじゅつかん)で開催されていた「第9回菊池ビエンナーレ 現代陶芸の<今>」。これは、この美術館が2004年から隔年で開催している陶芸の公募展です。実用的な「うつわ」から用途のない造形作品まで、条件をつけずに募集して審査するそうです。

 

 

 

ホテルオークラ(今の正式名称はTHE OKURA TOKYO)の隣にある美術館まで、虎ノ門の駅から徒歩7~8分。

 

左上:優秀賞 「色絵流加彩昇落器」猪倉髙征

右上:奨励賞 「青甕平壺 ‐水天彷彿-」

左下:奨励賞 「はなもよう」中里浩子

右下:奨励賞 「ながるる」原田雅子

 

チラシに掲載されている作品を4点挙げましたが、実際の大きさが分からないとイメージも湧かないですよね。スミマセン。このなかでは、右下の「ながるる」という作品に心を惹かれました。形も表面の質感もちょっとグロテスクで不気味でギョッとするんですけど、なんか、グルっと前後左右から眺めたくなる作品でした。この作品もそうですけど、他にもなんとなく「ジブリ風味」がある作品が並んでいるのが面白かったです。

 

 

これは大賞を受賞した「線を解き放つ」猪倉髙志。撮影可だったので、撮ってきました。

 

 

 

ふーむ。なんか分からないけど、見とれてしまう雰囲気は、ありました。

 

 

 

上の2枚の写真はネットからの拾い物です。相変わらず素晴らしい展示。ほぼすべての作品を、前後左右&裏表から鑑賞できるように工夫されています。人が少なくて、静かで、作品と好きなだけじっくり向き合える美術館。東京へお越しの際は、その時に何が展示されているかはともかく、一度ご覧になる価値はきっとあると思います。

ゴッホやセザンヌ、フェルメールの絵画展みたいに、入場者がぎゅうぎゅう詰めのゴミゴミ、ザワザワした絵画展に行くよりかは、ずっと濃密な時間が過ごせるはず。しかも入場料は映画より安い1,100円ですからね。しばらく休館を挟んで、次回は6/18~8/28まで「篠田桃紅展」が開催されます。

 

 

 

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続いては、パナソニック汐留美術館で開催されていた「未来へつなぐ陶芸 伝統工芸のチカラ展」。

 

 

 

この美術館は、新橋の駅に隣接した「パナソニック東京汐留ビル」の4階にあります。普段は絵画展をやることが多くて、陶芸展は珍しい。

 

 

この展示は、日本工芸会の中の陶芸部会が1973年に「新作陶芸展」を開いてから50周年になるのを記念して、歴代の人間国宝をはじめ多くの作者の作品が集められました。上の写真はチラシに載っているもの。右上の茶碗は「あ、これは志野焼きだな」と私も分かりました。荒川豊蔵という人の、1957年の作品だそうです。国立近代美術館の所蔵品。

 

 

 

上の2点は拾い画像ですけど、もう、見た瞬間に「智美術館」と比べて、展示方法の違いがお分かり頂けるかと思います。こちらでは大部分の作品がアクリル板のケースに入っているし、倒れないようにピアノ線で固定されているのがハッキリ見えてしまうなど、私にはとても興ざめでした。実は同じ日の午前中に智美術館に行って、午後に汐留美術館へ回ったんです。順番を逆にするんでしたね! 智美術館は、すべての作品が、触ろうと思えば触れるような状態で展示されています。ピアノ線で固定もされていない。

それに汐留美術館では、展示されている作品も、古い物も新しい物もあり、産地もバラバラで全体に統一感がないのが残念でした。智美術館のほうは、公募展ですからある意味バラバラですけど、少なくとも「最近、造られたもの」という共通点はある。そこに大きな違いを感じました。

 

 

陶芸とかやきものって、私が興味を持つようになってほんの1~2年ですけど面白い。これからも折に触れて展示会に行ってみようと思います。日本のあちこちに「陶芸専門の美術館」もあるみたいだし、そういうのを巡る旅なんかも、いいなぁ。 でも、ちょっとオッサンくさいですかね?(^^ゞ