シネマトーク  トトロ~宅急便~ラピュタを観る | マサミのブログ Road to 42.195km

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私は映画好きを自認しておきながら、まったく観ないできたジャンルや監督の作品があります。今や「国宝」的な存在ともいえるスタジオ・ジブリの作品も、ずっと観ないままでした。これではいけないと思って、去年は『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』をDVDで鑑賞したことはレポート済みです。

今年は元旦に『となりのトトロ』、3日に『魔女の宅急便』、そして9日に『天空の城ラピュタ』をレンタルDVDで集中的に鑑賞しましたので、その感想などを。

 

 

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となりのトトロ

 
大学で考古学を研究する学者のお父さん、小学6年生のサツキ、4歳のメイの3人が引っ越してきたのは、豊かな自然と美しい四季があふれる田舎の、「お化け屋敷」のような一軒家。そこにはマックロクロスケやトトロ、猫バスなど、子供にしか見えない不思議な存在がいた。
 
 
 
始まってすぐ、引っ越しの途中で郵便配達の人をお巡りさんと勘違いしたサツキが、メイに「隠れて!」と言うでしょう?あそこで私は「ああ、この一家は警察に追われているんだな」と思ったのですが、全然そうではなかったようで。あのセリフはなんだったんでしょうね? それと、お母さんが入院しているという設定なので「これはもう悲しい物語になるに違いない」と思ったらそうでもないし。見終わって「この映画は、悲しい展開がいっさい無い世界を描きたかったのかな」と思いました。サツキとメイのお父さんもお母さんも、子どもたちが言うこと、考えることをまったく否定しませんからね。「NO」とか「ダメ!」がいっさい出て来ない映画。そこが素晴らしいと思いました。
話がズレますが、病院でお母さんがサツキの髪をとかすシーンを見て、私は「あっ、つい最近、似たような場面を観たぞ?」と思いました。数日前に観た『家族を想うとき』という作品で、介護を受ける老婦人が、訪問介護にやってきた女性ヘルパーさんの髪をとかすシーンがあったんです(ヘルパーさんがお年寄りの髪をとかすのではなくて)。 私は「髪をとかす」というのは、女性同士でだけ成立する行為なのかな?と思いました。美容師さんを除けば、男性が女性の髪をとかしてあげるということは、ちょっと無さそうですしね。そんなような連想がふっと膨らんだ映画でした。
満足度☆☆+☆半分
 
 
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魔女の宅急便

魔女の家系に生まれ育った13歳の少女キキは、掟に従って満月の夜に家を出て、黒猫のジジと一緒にパン屋に住み込み、魔女になるための修行を始める。箒に乗って飛ぶ能力を活かして宅急便サービスを始めるが、最初の仕事でキキは預かった荷物を失くしてしまう…
 
 
 
 
ジブリの作品は「自立した、強い女性の存在が目立つ」という評を読んだことがありますが、なるほどと思います。
これなんかは、まさにキキが自立していく物語ですよね。パン屋のおかみさんも、森の中で絵を描くウルスラも、しっかりした「自分」を持っている。キキは多くの人に助けられてはいるけれど、基本的な部分で「自分の道は自分で切り開く」という姿勢を持っています。そこが清々しくて、良い。私は、上品な老婦人がケーキを焼いてキキに渡し「これをキキと言う名前の人に届けてあげて」と頼むシーンで、ホロリときました。それに対するキキの返しも、良いですよねぇ。
ただねぇ、枝葉末節ですけど、キキが修行のために飛び立つシーンで、BGMがなぜ「ルージュの伝言」なのかなっ!あれは「旦那に浮気された女性が、お姑さんに告げ口に行く歌」ですよね。ぜんぜん合ってないじゃん!などと古い古いユーミンファンの私は思ってしまったのでした(笑) 
 
それと、ウルスラが森の中の家で描いていた絵、あれ、映画に登場した瞬間に私は「いいな!」と思ったんですよ。そうしたらエンドロールにちらりと名前が出てくるので調べたら、実在するんですね。青森県立美術館に展示されているそうで、ぜひ一度、観に行きたくなりました。「1枚の絵を観るためだけの旅」とか、ちょっといいですよね~。いつかきっと!
 
(ウルスラが描いていた絵の原画です。八戸市立湊中学校養護学級昭和51年度在籍生徒 指導:坂本小九郎「虹の上をとぶ船 総集編Ⅱより 星空をペガサスと牛が飛んでいく」1976年
 
 
 
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天空の城ラピュタ

世界を支配する不思議な力を持った飛行石を母から受け継いだシータは、空に浮かぶ城ラピュタの秘密を狙う軍隊に捕えられていたが、海賊ドーラ一家の襲撃を受けたどさくさに逃げ出し、少年パズーに助けられる。しかし再びムスカ大佐につかまったシータはパズーを助けるために「私と一緒にいないで」とウソをつく・・・
 
 
 
 
 
この作品でいえば「強い女性」は空飛ぶ海賊の親玉、ドーラですね。海賊なんだけど、物語の中では「いいもん」の扱いです。そして私はラピュタを観て、ジブリ作品の中で初めて心の底から感激しました! 最後、ラピュタが崩壊していくシーンではもう、感極まってしまって。シータとパズーはラピュタと運命を供にしたんだなと思いこんだのですが、違いましたね(笑) まぁ、ああいうハッピーエンドになるのは仕方ないか。
私はTwitterを見ていて「人がゴミのようだ」とか「バルス!」などの決めセリフは先になんとなく知っていたので、この作品を観て「ああ、ここで出てくるセリフなのか~」と分かったのも面白かったです。金曜ロードショーで放映されると「バルス!」に合わせてみんなが投稿するのでサーバーがダウンする、というのも話題になりましたよね。その辺も「なるほど、そういうことか」と理解できました。
ちなみに、この作品を薦めてくれたお友だちが「ジブリ作品は、ラピュタまでは『物語』としてまとまっているんですけど、そこから先の作品は崩壊してるんですよね~」と言っていたんです。トトロ~宅急便~ラピュタ~もののけ~千尋と観てきて「ああ、そうかもしれない」と思った次第です。良い悪いではなく、ね。私はどちらかというと、カッチリ構成されてスキがない映画よりも、感性と感覚優先で、もろもろ「崩壊している」作品のほうが好きだったりしますから。ウシシ
満足度☆☆☆☆
 
 
 
 

 

さて、これでジブリ作品はひと通り観た気がするので、「ジブリはそろそろ卒業してもいいかな?」という気がしています。でもちょっと気になるのは「風の谷のナウシカ」(これはジブリ作品にカウントされないのですか?)と、「コクリコ坂から」ですね。コクリコは横浜が舞台らしいし、モデルになった古い家が私のジョギングコースの途中にあるんですよ。だからやっぱり、観てみようかなぁ。

それはともかく、ジブリ作品についてはおおまかなイメージは把握できた気がするので、次は、やはり私にはこれまでまったく縁がなかった『男はつらいよ』シリーズに挑戦します。レポートお楽しみに!