「伏流 7」より、後半を紹介する。
伏流 7-2
新サスケ
私の掌には光がこんもり憩うている?
いえいえ さざ波にたわむれる光のように
夜は よどんで行くような その底の
しかし壊れゆく金環食のその垂直の真下に
公園の噴水の構図は開いているような
しかし踊りをする少女のようではないような
吹きすさぶ風の中の耳にふと聞こえた
意味のないようでなつかしく優しい言葉に
トンネルの天井からは魚がばさばさ落ちてくるというのか
しかし引き出された淵と涙の対比の中に
芽生えの文字の爆発性が隠されていたとは
遠い彼方に雲の裂け目は見えているのに鳩は
はばたかない はばたけない そのような蟻たち
トランペットのひとふしのような蟻たちがどうして
指の中でぷちっとつぶれることがあろう