先の9月17日の記事、「こぐま星座『月』」に続く形で、次の作品をアップする。
作者のご諒解は得てある。
疾風怒濤
こぐま星座
ヒルヒルヒュルと金属の管を通って鉄の小
さな装置の中に空気が吸い込まれる。
その小さな装置が接合してある巨大な鉄の
塊の中に拳大の直径の円筒が数本くり抜い
てありその内面は鋭く研磨されている。
それぞれの円筒の上部に精緻な電極が固
定されている。
分電器の中の鉄片が高速で回転すると規則
的に断続してそれぞれの電極に巨大な電圧
がかけられ円筒の中で放電を繰り返す。
負圧により円筒の上面に取り付けてある鉄
栓を通って濃度の高い可燃気体が円筒の中
に吸い込まれ同時に円筒底面にある可動式
の圧壁により極度に圧縮される過程で可燃
気体は瞬時に放電により点火され燃焼する。
密封された鉄塊の中で爆発し膨張した燃焼
気体は円筒底面にとりつけられた可動式の
圧壁を巨大な力で押し下げる。
圧壁はそれにとりつけられた屈曲した鉄棒
と円盤状の鉄塊の作用によりある地点で作
用の方向を急激に逆方向にむけ円筒内の作
用まえの位置に戻る。
その過程に於て円筒上面にとりつけられた
排気用の2個の鉄栓を通って燃焼期待は鉄
塊の片側に接合されている数本の排気管の
中をブロブロブロという鈍い音とともに吐き出
される。
内燃機関がゆっくりとまわりだす。