「地楡」第8号より、「旅」(1) | 新サスケと短歌と詩

新サスケと短歌と詩

短歌と詩を公開します。

「初期歌篇」のテーマに戻り、同人歌誌「地楡(われもこう)」第8号(1995年3月・発行)より、「旅」(1)5首を載せる。先の7月18日の記事、「揺れ」(4)より続く。


真夜中に悲鳴に近く犬鳴けばわれ起き出でて背中をさする

知らぬうちに地に散らばりし棗の実われも食はずにまして妻子は

咳すれば飛点きらきら夥し誰にも言はぬ眼の傷み

自動車の免許を取ると学校に通ふ頃より妻の優しく

一日も早くと急きて中古車を届けさせけり免許得し妻